モーターショーで発表直後に受注殺到!マツダの新型SUVがトランプ関税を蹴散らすか

 マツダ、逆転の一発になるか。新型電動クロスオーバーSUV「MAZDA EZ-60」が上海モーターショーで発表され、受注が予約開始から48時間で1万件を突破する人気になっている。

 EZ-60は長安汽車との共同開発モデルで、パワートレインは電気自動車(BEV)とレンジエクステンダー付きEV(EREV)の2タイプ。1.5リッター直列4気筒エンジンを発電用に搭載し、駆動用モーターの出力は214hpを誇る。航続距離はガソリンと合わせて最大で1301km。中国だけでなく、欧州でも発売される見込みだ。

 気になるのは日本市場への投入だが、マツダは「2025~27年を電動化への移行期」と位置づけ、後半にはBEVモデルを投入すると表明済み。となれば、EZ‑60が「電動版マツダ6」として日本デビュー、という期待が出てくる。

 国内のミッドサイズSUV市場はややニッチだが、その分、大規模投資のリスクも小さめ。スタイリッシュなクーペライクフォルムと後輪駆動プラットフォームで、「マツダらしい走り」を電動で楽しみたい人には、かなり魅力的だろう。

 もっとも中国で発表されたモデルがそのまま日本へ持ち込まれたケースは、実はかなり少ない。仮に日本に輸入された場合は、安全基準や快適装備の追加などで、車両価格は多少上積みされるかもしれない。今のところ、現地価格は200万~300万円と予想されているが、大きく変わらなければ、EV入門モデルとして存在感を発揮しそうだ。

 マツダは現在、米国向け輸入車に課される追加関税の影響が懸念されており、新興市場での電動モデル投入は失地回復の一手と言える。また中国だけでなく、欧州では「CX‑6e」としての発売が控え、世界各地での販売が業績のカギを握るだろう。

 発表の場となった上海モーターショーでは、エクステリアデザインや大画面ディスプレイを高く評価する声も多く、実際の走りと質感向上にも期待が集まっている。新型EZ‑60がマツダの未来を切り拓くモデルとなるか、今後の展開に注目だ。

(ケン高田)

*写真はイメージ

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