「人間中心の経済」でも消費税減税を撤回、枝野幸男氏に失望の声

 立憲民主党の代表選が9月7日に告示(23日投開票)を迎える。8月24日と25日に行われたFNN世論調査で、「次の立憲代表にふさわしい人物」として野田佳彦元総理(20.1%)に次いで2位となったのが枝野幸男前代表(16.4%)だった。

 近い将来、政権交代が起きた際に総理大臣となる立憲民主党の代表。その有力候補である枝野氏が9月3日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に生出演。自身の改革案を述べて「人間中心の経済」を訴えるも、消費税減税を改めて否定して、視聴者から失望の声があがっている。

 スタジオでは「人間中心の経済」を掲げ、「国公立大学の授業料を段階的に無償化」「保育や介護などの職員給与を大幅改善」「給付付き税額控除」を提言した枝野氏。この30年の自民党政治を批判し、「人を切り捨てる経済から人材を育てていく」と訴えた。

 コメンテーターが次々と疑問をぶつけていく中で、番組MCの大下容子アナウンサーは「私からもいいですか?」と次のように質問した。

「前回の衆院選では時限的な消費減税を掲げましたが、今回、消費減税を訴えていないのはなぜでしょうか」

 これに枝野氏は「前回はコロナ禍の真っ只中で」と、コロナ禍の消費の落ち込みを振り返り、「すぐにでも大幅に消費を伸ばさないと、喚起しないと経済が何ともならない」と、あくまで時限的な措置だったと説明。先の「給付付き税額控除」に触れて、「生活必需品の部分のいただくお金は事前にキャッシュで払います。所得税を納めている方には所得税その分減税します、ということで負担のないようにします」と述べてこう続けた。

「たとえば1年間に1億円消費をするような人が1000万円、消費税を負担していただいているんだから、こういう人には負担してもらいましょうよ。そのお金で今困っている人を支える財源にしましょうよ」

 富裕層からは多額の消費税を徴収し、低所得者や中間層には給付金や所得減税で負担を減らすという政策を訴えたのだが、SNSでは《1億円消費する金持ちなんてごく一部でしょ》《立民が政権とっても消費増税まっしぐらか》《枝野さんもザイム真理教か…》などと落胆の声が相次いでいた。

「枝野氏といえば、21年の衆院選では『5%への消費税減税』を訴えていたものの、その後、『消費減税は間違いだった』と撤回。『日本の財政がパンクする』とまで言い切っています。消費税率が5%だったのを8%、そして現行の10%へと引き上げるよう決定したのは民主党が政権を握っていた2012年。その時の総理が、今回、代表選を争う野田佳彦氏です。物価高で日々の消費税を大きな負担と受け止める庶民が、政権交代に関心を示さなくなっても当然でしょう」(メディア誌ライター)

 立憲民主党の代表選で勝利するのは野田氏か、枝野氏か。いずれにしても消費税減税は望めそうにない。

(福島シゲル)

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