「裏金議員をこらしめる」野党共闘に自民党・井上信治議員が「野合」と反論

 自民党の石破茂新総裁が衆議院解散総選挙に打って出る。10月15日に公示、27日に投開票という日程で行われる見込みだが、気になるのは自民党の「裏金議員」の処遇だ。政治資金収支報告書の不記載があった自民党の議員は82人。そのうち51人が衆議院議員で、自民党内で「公認」か「非公認」か、対応が迫られている。

 9月30日、立憲民主党の野田佳彦代表は報道陣に対して「裏金議員のところで事実上の空白区があるならば埋めていく」と訴えていたが、果たして今回の選挙で裏金議員を一掃することができるのか。

 10月2日放送の「報道1930」(BS-TBS)に、自民党の井上信治幹事長代理と立憲民主党の小川淳也幹事長が生出演し、スタジオで議論を繰り広げた。小川氏は「裏金に手を染めた議員については責任を取ってもらおうじゃないか、ということについては、複雑な事情を抱えながらも、野田代表の発信に対して、野党各党は比較的ポジティブな反応をいただいている」と述べて野党共闘をアピール。ただし、野党各党との候補者の調整については、「簡単じゃないし、時間がないことは認めないといけない」とコメントしていた。

 その後、野党の動きについて聞かれた井上氏は、「選挙ですから政策本位であるべき」と前置きして、「選挙協力すれば勝てるかもしれない、ということでやるというのは野合と言われても仕方ない」と反論し、こう続けた。

「裏金議員をこらしめるというのが一致点ということであると、それはもう反対のための反対ということになってしまうので、野党間で政策協議をしっかりしていただいて、共通政策を掲げて与党と戦っていただければと思います」

 これに小川氏は「政治改革の最大の一里塚」「政権交代が最大の政治改革」と強調して、「こうした違法行為に手を染めた可能性のある人たちには国会から退場していただいて、きちんとした新体制で政治改革を議論していこうというのが筋道ですから」と反論して、裏金問題を徹底追及する構えを見せた。

「自民党としては裏金問題を選挙の争点にしたくない。一方の野党としては裏金議員の一掃と政治改革を結び付けて、少しでも議席を確保したいところ。ただ、小川氏が番組で言ったように、不記載額が500万円以下の議員24名について、自民党党紀委員会は『処分なし』としています。裏金議員を落選させたいと思っても、同じ選挙区に有力な野党候補が複数立候補していた場合、票が割れて結果的に裏金議員が当選するケースも考えられますからね。野党各党は早急な対応に追われそうです」(政治部記者)

 27日の投開票で裏金議員にどんな審判がくだされるのか。

(福島シゲル)

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