では我々庶民は「トランプ恐慌」にどう対応すべきか。消費生活アドバイザーの丸山晴美氏に投資面のアドバイスを求めると、
「まず新NISAに関しては、今回の株価下落を受けて慌てて売ってしまうのはもったいないと思います。もともと資産運用は中長期でやるもの。ここ20年間でも、アメリカのサブプライム住宅ローン危機が引き金となった08年のリーマン・ショック、20年に本格化したコロナ禍で世界的に株価が下落しましたが、トータルで見ると株価は上がっているわけですからね」
投資は長い目で見ることが肝心とのことだが、庶民の暮らしは日に日に苦しくなるばかりだ。
「やはりいちばん困るのはお米の価格高騰ですよね。昨年までは5キロで2000円台だったものが、今では4000円を超えています。では5キロの精米が茶碗何杯分かと言えば、1杯150グラムのご飯は精米65グラムほどなので、約77杯分。1杯26円くらいで食べられたのが、今では52円かかる計算。では食パン1枚がいくらかと言えば、6枚切りだと1枚33円。8枚切りだと25円なので、2枚でごはん約1杯分になります。また、パスタを同じ基準で見れば、1食当たり24円。他の炭水化物がお米に比べてどれだけ安上がりになるかを把握しておくことも大切です」(丸山氏)
外出先で購入するペットボトル飲料の本数も減らしたいところだ。
「節約上手な人は煮出したお茶を水筒に入れて持ち歩いていますが、この習慣を自宅の中でも取り入れること。これから夏を迎えるにあたって、冷たいお茶を水筒に入れておけば、冷蔵庫を開ける回数が減って節電にもつながります。そういった細かい話をすると、ケチと思われがちですが、ケチと節約は違います。ムダを削るのが節約なのです」
丸山氏はこう言って、日々使うスマホにも節約のメスを入れる。
「あらゆるものが値上がりする中で、値下がりしているのが通信費です。携帯電話は楽天モバイルで、3GBまで月額980円(税抜)で利用していますが、その都度貯まる楽天ポイントで支払いを行っているので実質0円。また楽天モバイル専用アプリのRakuten Linkを使えば、他のキャリアの携帯電話や固定電話でもタダでかけられるので、通信費を見直す際にはオススメです」
検討の価値アリだ。
(つづく)