JFK暗殺事件の機密文書8万ページ公開に孫が激怒!

 1963年11月22日、南部テキサス州ダラスで暗殺されたジョン・F・ケネディ元大統領。そんな同氏暗殺事件に関する新たな機密文書およそ8万ページが3月18日に公開された。だが米メディアによれば、このデータファイルは開くだけで2日を要するとされ、さらに黒塗りされている部分も多いため、精査には相当な時間とる労力がかかりそうだと伝えている。

 トランプ大統領が、JFKや公民権運動指導者のキング牧師暗殺に関連する政府文書の公開を命じる大統領令に署名したのは、大統領に就任した今年1月のこと。

「今回公表された資料は、暗殺事件発生までの暗殺犯とされるオズワルド容疑者の動向に関し、政府関係者が残した手書きメモや、米情報機関の活動報告書などで、公開済みの文書から黒塗りの部分を外し再公開した資料も多く含まれています。米国家情報長官室は同日、『裁判所の了承を得れば、随時情報を公開する』としていますが、黒塗り部分にはまだ社会保障番号などの個人情報や安全保障上の理由から開示できない情報も含まれている。ただ、トランプ氏は『(黒塗りなど)修正をすべて外すように命じた』と発言していますから、時間を要するものの、公約通りすべてが公開されることになるでしょう」(国際部記者)

 ケネディ氏暗殺事件は、「ウォーレン委員会」や米連邦捜査局(FBI)など、米政府による数々の検証を経て、暗殺犯は逮捕された元米海兵隊員オズワルドの単独犯である、と結論付けられている。しかし、60数年が経過した今もなお、米国内では陰謀論も根強く残っていることも事実で、新たな機密文書公開には、全米の注目が集まっていた。

「今回公開された8万ページがまったく新しいものなのか、黒塗りされていた部分を取り除いたものなのかはわかりませんが、正直、すでに公開された17万ページに及ぶ文書からは、これまでの調査結果を覆す内容は出てきていません。したがって、塗りつぶされている部分が解き明かされたとしても、直接それが暗殺事件の新たな事実の判明につながる可能性は低いのではないかと言われているのですが…」(同)

 現政権の厚生長官を務めるロバート・ケネディ・ジュニア氏は、かねてから「叔父の暗殺には米中央情報局(CIA)が関与している」との陰謀論を唱えてきた人物。そのため、全文を公開することで、新しい証拠らしいものを見つけたいとの思いが強いと伝えられる。

 ところが、今回の機密文書公開に「事前に何の連絡もなかった!本当にバカげている!」と怒り心頭なのが、ケネディ大統領の孫でジャーナリストのジャック・シュロスバーグ氏だ。

 シュロスバーグ氏は新たに8万ページが公開された同日、自身のXに《ノー。トランプ政権は、ケネディ大統領の家族の誰にも文書公開を「事前に」通知しなかった。全くの驚きだが、衝撃ではない。しかし、ロバート・ケネディ・ジュニアは間違いなく知っていた》と投稿。文書公開は陰謀論を唱えるロバート主導だとして、文書の一部には暗殺事件と無関係なケネディ一族の性的嗜好の記述もあるため、文書の内容を公開したCNNの報道に対しても「CNNはこんなことするべきじゃない。これは本当にバカげている。実際に起こっているニュースはたくさんある。なぜこれを報道しているんだ?」と名指しで批判している。

 ともあれ、60数年を経て真犯人が浮かび上がる証拠が出てくる可能性はあるのか。全米中が固唾をのんでその行方を注視している。

(灯倫太郎)

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