息子や孫、役所や銀行の職員などになりすました犯人から電話があり、金銭等をだまし取る特殊詐欺の被害が相変わらず後を絶たない。
なりすましの手口が広まったこともあり、すぐに電話を切るなど、ダマされない人も多くなってきたが、犯行グループの手口は巧妙化の一途だ。例えば、電話の相手が「警察官」を名乗るケースがあるという。警察官と聞けば、簡単に無視できないと考える人は多いのではないか。しかも、単に名乗るだけではないのである。
「最近、特に増えているのは、電話番号下4ケタが『0110』からの電話です。全国の警察署の電話番号の多くは末尾が『0110』であり、不審に思った人が着信画面を見ても、実在する警察署になっているのです。これで、すっかり信じてしまう人が多い」(社会部記者)
では、どのように「0110」を表示させているのかといえば、
「実は、番号表示を偽装する海外製のアプリがあるのです。末尾が『0110』の番号が警察署だと知っている人はそれほど多くはないものの、逆に、わかっている人こそ騙されやすい。また、最近はすぐにネットで検索する人も多いため、その行為自体を逆手に取って、警察だと信用させるのです」(詐欺問題に詳しいジャーナリスト)
警察が電話口で口座番号やキャッシュカードなどの暗証番号を聞くことは決してない。仮に警察官を名乗る相手がそれらの番号を聞いてくるようなことがあったら、それは詐欺だ。ただちにに電話を切り、かけ直さないこと。被害を相談するためにその警察署に電話したい場合でも、かかってきた履歴を使うと詐欺の相手にかかってしまうので、あらためて番号を入力することが重要だ。
「0110」を表示させる手口は、昨年後半から急激に増えており、犯行グループが手当たり次第にかけている可能性がある。絶対にダマされないよう、くれぐれも注意して欲しい。
(ケン高田)