入場チケットの販売不振が伝えられている大阪・関西万博のチケットが、ついに「定価割れ」していることが判明した。
大阪の一部金券ショップのWebサイトには、「一日券 1度に500枚まで買取可能です」などと記載され、買取価格「3000円」を提示。これをいくらで販売するのかはわからないが、万博の前売り限定チケットは、会期中いつでも1回入場可能な「早割一日券」が大人6700円なので、これではわざわざ公式で買う必要がなくなってしまう。しかも今後さらなる値落ちが予想されているというのだ。
「先日は大阪万博に出展するゲームソフトウェアメーカー・カプコンが『ばんぱく(80890)』にかけて40445組、80890枚の入場チケットのプレゼントキャンペーンを実施しました。これは電子チケットなので転売は難しいですが、ほかにも協賛企業が無料で配ったチケットは無数にあり、フリマアプリで定価以下で転売する人が続出しました。金券ショップにもチケットが持ち込まれ、買取・販売をしているところもあります」(金券ショップ関係者)
現在のところ万博チケットの売上は約760万枚で、その大半が企業・団体による購入だ。協賛企業の社員や関係先に無料で配られたり1枚1000円から2000円で購入できる場合もあり、それらが転売され、ちょっとした小遣い稼ぎになっているようだ。万博協会は家族や友人以外の不特定多数へのチケット転売を禁止しており、転売が確認できたチケットは無効化するとしているが、実際の対応は極めて難しいだろう。
「三菱総合研究所」が昨年10月に行った大阪・関西万博に関する意識調査では、「行きたい」と答えた人はわずか24%に留まっている。万博に行かない理由としては、「チケットの価格が高いこと」が上げられているが、今後、安いチケットがさらに市場に流れた場合、入場者が増えるという皮肉な結果になるかもしれない。
(ケン高田)