PCゲーマー垂涎のNVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 5090」「GeForce RTX 5080」が発売され、市場は大混乱となっている。
GeForce RTXシリーズは、高速&ハイパワーの新世代GPU(画像処理装置)で、動画編集や3Dゲームで実力を発揮するため、映像関係のクリエーターやゲーマーの御用達になっている。
シリーズの最新機種は、1月30日23時に販売が解禁となり、東京・秋葉原のパソコンショップでは、当日午後に抽選整理券を配布した。ところが整理券を求めて客が殺到し、私有地への侵入や、車両の通行を妨げるなどのトラブルが発生。一部店舗では客同士のいざこざも発生し、警察が出動する騒ぎになったという。
最上位機種の価格は50万円以上するというが、店側もこれほどの客が押し寄せるとは思いもよらなかったのだろう。なんとも景気のいい話だが、実は商品を求めて長蛇の列を作った中には、転売目的の外国人も多いという。
「春節を利用して日本にやってきた中国人ですよ。GeForce RTXシリーズは中国でもリリースされていますが、米国の輸出規制にかかるため、プロセッシングコア数が少ない廉価版しかない。当然、AI機能も劣るため、フルパフォーマンスを発揮できる日本向け製品は、何が何でも手に入れたいのです。実際、50万円で購入したとしても、本国の裕福層にその4~5倍の価格で売れるのですから、必死になるのも当然でしょう」(ITライター)
大きな混乱になったため、現在多くの店が整理券の配布をとりやめ、ウェブサイトでの抽選販売に切り替えているが、すでに商品はほぼ完売状態だ。
中国人転売ヤーが殺到するのは、なにも今に始まった話ではない。ましてや春節のこの時期になんの対策もせず販売に踏み切った店側の責任も問われるだろう。
(ケン高田)