「突然キレるのやめてほしい」「もう打ち切りでいいよ」「ルール無用のカオス状態」などと批判の声が寄せられたのは、歴史ある討論番組「朝まで生テレビ！」（BS朝日）。1 月26 日放送回では、トークの最中に司会でジャーナリストの田原総一朗氏が大声をあげ視聴者から大不評を買った。
この回のテーマは日本の自動車産業。アメリカのトランプ新政権が「“EV普及策”撤回」「外国製品に高関税」を掲げたことを受け、日本の基幹産業の課題について議論を行った。
番組終盤、話題は小泉内閣で経済財政政策担当大臣などを務めた経済学者の竹中平蔵氏に及ぶ。田原氏は「小泉内閣の時、小泉さんは何もわかんないで竹中平蔵にぜんぶ任せた。竹中平蔵は優勝劣敗なんだよ。それで評判悪いよね」と言及。「なんで評判悪いの？」と話を振られた近畿大学情報学研究所長の夏野剛氏が「竹中さんはいまだに『あの人が悪いことしたんだ』みたいなことがネットであふれてますけど、いやいや、その時は…」と述べはじめたところで、田原氏が怒鳴り声をあげる。
「うるせえ！何言ってんだよ！」
突然の大声にスタジオが凍りつく中、夏野氏は「（竹中氏は）一人で決めてるわけじゃないので…ただやっぱり不満がたまっているのは事実だと思います」と続け、CMに切り替わった。いったい何が起きたのか。
「田原氏は夏野氏の発言にキレたわけではありません。おそらくインカムを通してスタッフからなんらかの指示が入り、それに対して『うるせえ！』と怒鳴ったのでしょう。ただ、声を荒げた先が夏野氏の後方だったため、怒声を真正面で受け止めた夏野氏はかなり面食らった様子でした。また、CM明けに下平さやかアナウンサーが番組に寄せられた視聴者の意見を読み上げる際、いきなり画面が真っ黒になるハプニングも…。どうやらカメラは出演者の背中をアップで映してしまったようでした。『朝生』は昨年秋に地上波からBSに枠が移りスタジオのセットもこじんまりとした印象を受けますが、“田原節”は健在。まさか竹中平蔵氏の話題で『うるせえ！』という怒号が聞かれるのはまったくの予想外でした」（メディア誌ライター）
番組は19時スタートで「朝まで」とはいかなくなったが、これからも本気の議論で話題を提供してほしい。
（福島シゲル）
