「何年か前の自分の戻す」由美かおる“奇跡的な若さ”の秘訣/懐かしの青春ドラマ「マドンナ女優」列伝(2)

 今も色あせない青春ドラマの名作「ゆうひが丘の総理大臣」(78年)からは数多のスターが誕生した。

「女子生徒役はポテチのCMで人気の藤谷美和子、ホラービデオばっかり見てる芦屋小雁さんと結婚&離婚するレッドビッキーズ二代目監督の斉藤とも子、元アイドル歌手の北村優子、のちに浜ちゃんの嫁になる島村聖名改め子小川菜摘ね。あと先生役の由美かおる(74)。あのしゃべり方が浮世離れしてるやん、沢口靖子チックというか」(マグナム氏)

 城下氏はある女優からその若さの秘訣をコッソリ聞き出したという。

「由美さんってスタイルは若い頃と変わらず、見た目も全然変わらないですよね。ガラッと変えたがる人が多い中、『1回太って痩せるとシワシワになる。そうならないように体型を維持しつつ、ちょっといじるのよ。何年か前の自分に戻す。だからずっと若さを保っているの』と打ち明けられました」(城下氏)

 さらに、ソーリ(中村雅俊)が住むアパートに住む教師・篠ひろ子(76)、そのアパート大家(樹木希林)の娘役・岡田奈々(65)といったサブマドンナも「ゆうひが丘─」に可憐な花を添えていた。

 城下氏が回想する。

「篠さんは『時間ですよ』では小料理屋の女将、『大都会』ではクラブホステスといった役がハマッてました。92年に伊集院静氏と結婚。あの人、桃井かおりと夏目雅子を二股かけてましたからね。薬師丸ひろ子を狙ってたんだけどダメで篠さんに落ち着いた。篠さんはいい人だから結婚してからは女優を活動休止。最後まで夫の面倒を見たと思います」

 岡田と言えば暴漢に襲われた事件を思い出さずにはいられない。77年、深夜に自宅8階の窓から侵入した男に果物ナイフを突きつけられた岡田は刃の部分を素手で掴み、指の付け根に20針縫うほどの大ケガを負った。

「ファンを自称する男が彼女の部屋に一晩いたというのは、当時のアイドルとしてはかなりマイナスに作用したと思います。会見で記者の『本当に犯人はけしからんことをしなかったのですか』の問いに『はい。絶対に何もされませんでした』と答えてましたね。芸能マスコミは彼女の言い分通りに報道しました。事件後もほとんど仕事が途切れることなく、今も女優として活躍してますよね」(城下氏)

 同名の漫画が原作の「ゆうひが丘─」に対し、続編と見紛うてしまう宮内淳主演の「あさひが丘の大統領」は、日テレの完全オリジナル作品であり、マドンナは片平なぎさ(65)だった。

 マグナム氏は片平の出演作を想い起こす。

「『スター誕生!』から見てるもん。女優になりはったんやなって。びっくりするくらい目が大きいよね。『あさひが丘─』と同じ79年に片平は昼ドラの『じょっぱり』で淡谷のり子役をやったのよ。それを見た淡谷先生が『誰、この子?』って言ったらしい(笑)。歌手だったけど、歌下手だったからね。その後、『スチュワーデス物語』(83年)では片手を失ったピアニスト役。まさかあれが当たるなんて」

 以降の片平は、淡谷に酷評されたマイクを捨て、女優街道まっしぐら。90年代に「2時間ドラマの女王」と呼ばれるまで上り詰めた。

「実は、2時間ドラマの名コンビだった船越英一郎とデキてたのは、業界人はみんな知っていた。船越はその後、松居一代に引っかかるんですけど。松居と結婚するという報道が出た途端、片平との共演がパタッとなくなった」(城下氏)

 今も片平は生涯独身を貫いている。

(つづく)

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