ローカルチェーンでも個性豊かな店が多い北海道。今回、函館から帯広、札幌を巡って地元で人気の道内チェーンを食べ尽くした。
はるばるやってきたのは函館。今や全国区の人気と知名度を誇るバーガーチェーン「ラッキーピエロ」に行くためだ。
注文したのは看板メニューの「チャイニーズチキンバーガー」(税込450円=写真)。マクドナルドのハンバーガーよりもひと回り大きく、ボリュームがあるのは明らか。甘辛いソースが絡んだチキンは最高だ。店内も昔のアメリカにタイムスリップしたような雰囲気の内装で面白い。
次に訪れたのは、函館の回転寿司チェーン「函まるずし」。お昼時だったので寿司11貫+そばの「おすすめランチ」(税込968円)に加え、地元ネタを使った「活北寄」(税抜1貫275円)と「北海道産とろイワシ握り」(税込1貫209円)を注文。ほっき貝は鮮度が落ちやすいため、道外ではボイルしたものが一般的だが、ここでは生で食べることができ、はるばる北海道に来たかいがあったというものだ。
続いては〝ハセスト〟の愛称で親しまれる函館のローカルコンビニ「ハセガワストア」。名物は店内レジ横で注文後に焼き始める「やきとり弁当」(税込560円〜)だ。使用するのは鶏ではなく豚精肉。函館や室蘭では、焼きとりと言えば豚を指すのだそう。味付けは「タレ」「塩だれ」「うま辛」など5種類。弁当の米はたれが染みて、いくらでもかき込める。
すっかり気に入った記者は、翌日にも函館駅前のハセストでやきとり弁当を購入。同様に駅弁代わりに買い求める客が何人もいた。
その後、特急列車を乗り継いで着いた先は帯広。この街も道内限定のローカルチェーンが多いエリアだ。
すでに夜だったため、鶏肉料理専門の居酒屋チェーン「若どりの鳥せい」へ。ほとんどの客が頼むという「炭火焼き」と「から揚げ」(税込各1050円〜)を頼んでみる。こちらの店ではいずれも骨付き肉を使用しており、手づかみでビールと一緒に流し込む。指は脂でベトベトになるが、これが何ともたまらない。から揚げはいろんな店で食べてきたが、その中でも上位に入るうまさだった。
翌日は帯広駅から徒歩5分の「六花亭」帯広本店へ。北海道銘菓「マルセイバターサンド」で有名な製菓メーカーだが、目的は土産購入だけにあらず。同店を含む一部店舗には喫茶室があり、そこでしか食べられないメニューがあるからだ。この日は帯広本店オリジナルの「焼きたてクロワッサン」(税込300円)、帯広本店と札幌本店でしか飲めない「ホットチョコレート」(税込550円)を頼み、口いっぱいに甘さと幸福感が広がった。メニュー表を見て店舗限定スイーツとどちらを注文するか悩んだが、これはこれで正解だったようだ。
六花亭本店を出た後は、目と鼻の先にあるご当地カレーショップ「インデアン」まちなか店に移動。イスラム圏のモスクのような外観で、記者以外にも観光客が写真を撮っている。店名を冠した「インデアン」(税込550円)は、牛肉がたっぷり入ったドロッとしたソースが特徴。家庭のカレーっぽい見た目だが、数多くのスパイスを感じる奥深い味わいだ。
そして、帯広のフィナーレを飾るのは、道内に12店舗を構える焼肉チェーン「平和園」本店。こちらも帯広駅から徒歩数分の距離で、昭和の焼肉店といった外観で年季を感じさせる。
店内も時間が止まったかのようなレトロな雰囲気で、「ジンギスカン定食」(税込720円)や「平和園カルビ」(税込720円)、「赤身タン」(税込480円)などを注文。いずれも見るからに肉質がよいのがわかったが、この値段で味わえるのは北海道ならではだろう。
心ゆくまで焼肉を堪能して、帯広の次に向かったのは札幌。到着翌日、営業開始に合わせて「十勝豚丼いっぴん」平岡店へ。帯広発のチェーンだが、現地ではスケジュールの都合で行きそびれてしまったからだ。ここで食べた「豚丼セット」(税込1210円)をはじめ、同店で提供するのは備長炭でじっくり焼いた肉厚の豚ロース肉。豚肉本来の旨味がダイレクトに伝わり、「いっぴん」の名に偽りはなかったようで。
その足で札幌市内にあるそばチェーン「ごまそば遊鶴」へ。ごまを練り込んだそばを出すローカルチェーンは他にもあり、どうやら札幌市民の間ではポピュラーな食べ物らしい。
オーダーした人気ランチメニューの「ミニ海老天丼セット」(税込860円)は、よく観察すると砕かれたごまの粒がそばの中に含まれている。食べるとほのかにごまの風味が感じられる。
そばで口をさっぱりさせた後、北海道めぐりを締めくくるのは「みよしの」という餃子チェーン。北海道では同店のチルド餃子がスーパーの人気商品で、あの「餃子の王将」よりも馴染みがあるという。
ここで頼んだのは看板メニュー「ぎょうざカレー」(税込660)。カレーに餃子のトッピングとは珍しいが、実際に食べて、その組み合わせの妙を実感した。
北海道のローカルチェーンはどの店もお手頃価格で、味はもちろん、コスパ的にも大満足だった。
(つづく)
※写真は「ラッキーピエロ」の「チャイニーズチキンバーガー」