一時期、全国各地で見られた餃子の無人販売所が、次々と姿を消している。背景には防犯カメラがあるにもかかわらず、堂々と商品を盗んでいくドロボーの存在があった。
そもそも無人餃子販売店は、コロナ禍で人との接触を避けられることや、無人営業で24時間いつでも購入できることなどがウケ、一気に広がりを見せた。また店側にとっても人件費がかからず、仕入れにかかる費用以外では電気代と家賃のみで済むため、新規参入しやすかった。
2022年度末には1300店舗近くまで増加したが、昨年は新規の出店はほとんどなく、むしろ約10%が閉店に追い
「すでに同類の店が増え飽和状態になっていることに加え、キャベツなどの材料費が高騰しているため、出店のうまみが減っています。そしてなにより一番の原因は、窃盗被害が減らないこと。最近は防犯カメラに映っていようがお構いなしに盗みを繰り返す輩が後を絶ちません。入り口や店内に防犯カメラが捉えた窃盗犯の写真を貼り出す店もありますが、彼らはそれを横目に堂々と盗みを繰り返していくのですから始末が悪い。店によっては毎週のように被害にあっているといいます」
最近はあえて無人餃子販売店で餃子を購入しなくとも、大手食品メーカーの冷凍餃子がわずか数百円で販売されており、これが美味と評判。閉店が相次ぐのは仕方ないのかもしれない。
そもそも人の善意をあてにした商売は、そうそう簡単には成り立たないことを、無人餃子販売店が教えてくれたということなのかもしれない。
(ケン高田)