「無人販売所」急増で窃盗多発!「防犯カメラ」が役に立たない深刻理由

 コロナ禍に各地で急増した「無人販売所」。非接触なうえに人件費が削減でき、店の内装は最低限で済むなど初期費用も抑えられることから出店が相次いでいるが、一方で連日のように窃盗事件が報じられるなど問題を抱えている。

「無人販売所では店内の複数カ所に防犯カメラを設置し、常時撮影することにより窃盗を未然に防ぐ狙いがありますが、実際にはリアルタイムで映像を確認するスタッフがいないところも多い。そのため連日のように窃盗被害が相次いでしまっているのが現状です。10月22日には『FNNプライムオンライン』が、およそ1カ月に渡って同じ無人販売所で窃盗を繰り返していた男性が現行犯逮捕されたことを報じました。盗まれたのは餃子やラーメンなど合計63パック。被害額は6万3000円に及んだといいます」(社会部記者)

 ただ、こうした状況にネット上では、《人がいたって万引きする輩はいるわけで、無人なら盗み放題だろうね。日本人は性善説を信用しすぎている》《防犯カメラを数台設置しただけでは、悲しいかな対策とは言えない。今やそれで「窃盗されました」「このままじゃ閉店するしかない」は通用しなくなっている》といった指摘も相次いでいる。

「最近ではスーパーなどで見かけることが多くなったセルフレジでも万引きが急増しているほどなので、防犯カメラで撮影しているとはいえ近くにスタッフがいないと窃盗被害を抑えることは難しいでしょう。特に、無人販売所は人件費や初期費用が少なく済むことが大きな利点ですから、スタッフを増員したり、自動販売システムを取り入れたりすることもでませんしね。張り紙で『防犯カメラ常時確認中』とか『防犯カメラライブ配信中』など誰かがカメラを確認していることをアピールすること程度しか、対策はないのかもしれません」(防犯事情に詳しいライター)

 窃盗する側が悪なのは当然だが、売り手も危機意識を一段階高めなければならない時代になってしまったということだろう。

(小林洋三)

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