「何か分からないことがあったら…」吉井理人監督、佐々木朗希を監督室に呼び出した“複雑な親心”

 ロッテからポスティング(入札)システムで米・大リーグ(MLB)を目指す佐々木朗希がファン感謝デー「MARINES FAN FEST 2024」(11月17日)に参加。これがファンに向け日本での最後の“肉声”になることから注目された。

 佐々木は緊張の面持ちで「今回球団に後押ししていただき、メジャーに挑戦することになりました」と挨拶するとヤジやブーイングは一切なく、中には涙するファンもいたが…。

「ルール上は何ら問題はありませんが、2019年、ドラフトで交渉権を獲得したロッテへの入団条件も、自身が希望する時期のメジャー移籍の容認。昨オフは日本プロ野球選手会を退会するなど、プロ入り時から渡米準備を着々と進めていた印象。佐々木より前に高卒ドラフト1位でMLBへ渡ったのが大谷翔平ですが、大谷はしっかり実績を作り、16年には日本ハム日本一の原動力にもなっている。日本球界での活躍度はまったく違うだけに、中には内心、モヤモヤしているロッテファンも多いのでは」(夕刊紙記者)

 今季も1年間ローテーションを守れたかと言えば、さにあらず。5月28日に「上半身の疲労回復の遅れ」(球団発表)で登録抹消、6月8日に1軍復帰登板したかと思えば、同13日に右上肢のコンディション不良でまた抹消。吉井理人監督も「中6日が難しいなら投げる試合がない」とぼやいたほどだった。

「MLBの先発投手では“中4日、100球未満”で投げられて1人前扱いされる世界。MLB経験のある吉井監督も佐々木については『まだまだ未完成なところがある』と指摘しています。それでもわざわざ監督室に呼んで、『何かわからなかったことがあったら連絡してこい』と送り出したそう。たとえ佐々木の渡米に思うところがあっても、やはり親心があるのでしょう」(前出の夕刊紙記者)

 それでも佐々木についてはMLBで「大谷クラスか、それ以上」という評価があるのも確かだ。

「そんな投手を“25歳ルール”のマイナー契約で格安で獲得できるわけですから、米国内でも色めき立つのは当然の話。しかし、実力の評価については日本球界でのビッグネームから“大谷効果”を借りている面も大きい」(MLB担当記者)

 吉井監督の懸念を吹き飛ばす日は来るのか。

(小田龍司)

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