「薬物疑惑」が取り沙汰される下院議員を司法長官、ゴルフ友達を中東特使、反ワクチン論者を厚生長官にと、新たな閣僚人事で話題を振りまくトランプ次期大統領。
中でも注目されているのは、大統領選挙で「毎日1人に100万ドルキャンペーン」を行い、トランプ氏の勝利に貢献したイーロン・マスク氏だ。同氏は新設の行政効率化担当相の起用が予定されているが、大統領選以後はもっぱら「トランプ氏とべったりな関係」が取り沙汰されている。
「マスク氏はトランプ氏の自宅に行くとなかなか帰らず、11月6日にトランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領と行った電話会談など、各種の重要会議にも同席しているようです。そのため、現地テレビメディアが『まるで「共同大統領」にでもなったように振舞っている』と報じたほどです」(全国紙記者)
「共同大統領」は大げさにしても、マスク氏はいまや「政治家」としても動き出したようだ。一方、本業の企業経営にも死角はないようで…。
「例えばテスラ。同社の株は、それまで230~260ドルを行ったり来たりしていたのが、大統領選挙でトランプ氏が勝利すると360ドル付近まで急騰しました」(前出・記者)
他にも、火星探査を目論むスペースXや、脳に埋め込むチップを開発するニューラリンクなどがあるが、これらは政府の方針によって企業活動が大きく左右される分野でもある。ということは、露骨なまでに政権に食い込んだマスク氏によって、こうした企業群は少なからず恩恵を受けるはず、と指摘する関係者は多い。
どうやら「政商」の顔も見せ始めたマスク氏なのである。
(猫間滋)