巨人のエース・菅野智之が完全に“蚊帳の外”状態だ。
10月11日は菅野の30回目の誕生日である。「日本シリーズ進出を自ら決める」というバースデー登板も予想されたが、現実は甘くはなかった。腰痛のため二軍のジャイアンツ球場で練習、それも、ボールを受ける捕手は育成選手という寂しいものだった。
「日本シリーズに向けて調整中とのことですが、腰痛だけが二軍調整の理由ではありません。今季の開幕から間もなくして腰を痛めていることが発表されましたが、じつは昨季終盤戦から違和感があったんです。腰の状態が良くないので、ストレートの球速、キレが悪く、変化球を狙い打ちされていました」(スポーツ紙記者)
短期決戦は相手チームを勢いづかせたら、おしまいだ。原辰徳監督は日本シリーズ進出を決めるため、菅野にはCSで投げさせられないと判断したわけだ。かといって、日本シリーズで好投できる保証はどこにもない。本人も“戦力外”と察しているのか、「チームの勝利が最優先」とこぼしていた。
「状態はよくなっているので、日本シリーズに進出したら、中継ぎ登板ということは十分に考えられます。西武、ソフトバンクはシリーズに向け、巨人にスコアラーを送り込んでいる。『中継ぎで、短いイニングを投げるほうが怖い』と、むしろ菅野を警戒していました」(球界関係者)
投げないことによる不気味さ…パ・リーグ球団に心理的動揺は与えているようだが。菅野にとっては野球人生で最も辛いバースデーになったかもしれない。
(スポーツライター・飯山満)