カゴメのケチャップ、輸入小麦、食用油、牛乳やチーズなどの乳製品、コカコーラの大型ペットボトル、東洋水産の冷凍食品に家庭用食用油やレトルトカレー、サバやサンマの缶詰に、ポテトチップスにサントリーのウイスキー、果てはうまい棒まで。
これらは全部、4月に入って値上げしたもの。朝のニュースでは毎日、何かしらの価格改定の報道があり、もはや値上げのニュースが流れていても「あーまたね〜、このスーパーいつもインタビューされているね〜」くらいの感覚に麻痺していないだろうか?
食料はもちろんだが、ブリヂストンのタイヤや住友ゴムのゴム製品、パナソニックの照明器具、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、赤ちゃん用の紙おむつなどの消耗品。さらに大手電力10社、大手都市ガス4社の家庭向け料金も。
あまりにも値上げのニュースが多かったので4月だけで検索したところ、飲食に関してはほぼ全業種と言っていいくらい何らかの商品で値上げのニュースがあり、おそらく「米」以外は全部値上げされているのではと思えるほど。まさかの必須品、塩まで値上げのニュースがあった。
気候も良くなったしちょっとお出かけ、という場合。スターバックスは税抜きで10〜55円の値上げ、うどん、ラーメン、パスタなど小麦を扱う店でのランチは値上げまたはボリュームダウン。びっくりドンキーもリンガーハットも値上げ。ドライブしようと思ったら首都高の料金も上限料金が引き上げ。それなら家でお好み焼きを作ろうとすると、小麦だけじゃなく、卵、豚肉、イワタニのカセットコンロまで値上げ。何をしようにも値上げの壁にぶつかってしまう。
ちなみに3月には日清食品グループがチルド麺を値上げしているし、6月以降はカップ麺、袋麺の値上げが予定されている。パンは、2022年に入った途端、山崎製パンや敷島製パン、フジパンなどが一気に値上げをしたが、このご時世でまた値上げが起こる可能性大。三大コンビニ、セブンイレブンは3月からサンドイッチが、4月からお弁当や惣菜を値上げ。ローソンも3月からサンドイッチやおにぎりなどに続き5月末にはあのからあげクンが値上げに。ファミリーマートもホットスナックの一部を値上げ。
ネットでは「消費税20%になった感がある」「生きていくの辛い」「プーチンのせいにして、関係ないのに値上げしているところがないか?」と言った書き込みが。
食糧の高騰原因として小麦の輸出国であるウクライナとロシアの問題はもちろんのこと、世界的な原燃料価格の高騰、コロナの影響による物流コストの上昇や人手不足による人件費の上昇のほか、急激な円安などさまざまな要因がある。しかしなぜここまで集中しているのか。
「4月に集中しているわけではありません。新年度になり、新しい制度やシステムに変わる報道と一緒に値上げのニュースが流れていますが、5月、6月になっても値上げのニュースは同じくらい、もしくはそれ以上出てくるでしょう。今は野菜の価格は安定していますが、天候不良や生産地で災害が起きたら、今後野菜の高騰だって起こり得ます。唯一安定して見える米だって初夏〜秋の天気でどうなるかは不明です。値上げのニュースはこれからも続くと思って間違いない」(エコノミスト)
ではどうすればいいのか?
「3月までにまとめ買いをしておけばよかった、ではなく、今後も値上げラッシュが続くと考えて、消費期限が長いもの、劣化しないものかつ、頻繁に使う、消費するものが“安く”売っていたらまとめ買いをしておく。生鮮食品など買いだめが難しいものは見切り品、訳あり品などをこまめにチェックする。当たり前のことですが、滅多に使わない、食べないものは買わない。唯一の救いは、暖かくなってエアコン代が下がることぐらい。それでも今後梅雨の湿気対策、夏のクーラー代を抑えるための対策は各家庭で必要になります。これからは何を削るか、諦めるかの取捨選択が必要です」(同)
まん防や緊急事態宣言が解除され、旅行やグルメ、ショッピングを楽しみたい気持ちはあるが、値上げ分、またはそれ以上の収入アップが期待できないなら、倹約または副収入の道を模索する必要がある。厳しい春となりそうだ。
(ロドリゴいしざわ)