櫻井翔の指摘に石破茂総理が猛反論「わが党は専制独裁国家ではない」

 衆議院選挙が10月15日に公示され、12日間の選挙戦が幕を開けた。選挙の大きな争点のひとつが「選択的夫婦別姓」。石破茂総理は、先の総裁選では選択的夫婦別姓制度の導入について「つらい思い、不利益は解消されなければならない」と賛成の意向を明らかにしていたが、いざ総理になると一転して消極的な立場をとっている。

 14日放送の日本テレビ系情報番組「news zero」に、与野党各党の党首7人が出演。選択的夫婦別姓について、各党首がマルかバツかの2択で回答する一幕では、石破総理を除く6人がマルを挙げ、石破総理はマルでもバツでもない曖昧な回答に終始した。

 番組キャスターの櫻井翔は、各党の候補者を対象に行ったアンケート結果を紹介。自民党の候補者で、選択的夫婦別姓に賛成しているのはわずか9%にとどまった。櫻井キャスターは内訳について「賛成が9%なのに対して最も多かったのは『やや反対』で32%。『どちらとも言えない』が30%となります」と説明して石破総理に質問をぶつける。

「石破さんは総裁選中、『やらない理由がわからない』とおっしゃっていましたので、ご自身、賛成の立場だと思いますけれども、党内で導入するという温度感が低い中、党としてまとまらなければ導入しないという方向に舵を切ることもあり得るんでしょうか? それとも党内説得して導入するという…」

 石破総理は櫻井キャスターの発言を遮るように、「いや、わが党は専制独裁国家ではありませんから」と猛反論。「総裁がこうだからこうだ、みたいな話にはならないですよね。今、内訳がそういうことになっていて、だとするならば、何も感情的に反対しているわけではないので、別姓になった場合、最初のお子さんと次のお子さんと姓が違ったらどうなるの?みたいな…。わが党は現実的な政党なのでそういうことになったらどうするんだっていう議論、まだあります」と議論を継続していくと主張した。

「石破総理が櫻井さんの指摘に、言葉をかぶせるように猛反論していたのが印象的でした。たしかに総裁選の最中には夫婦別姓制度に賛成の立場をとっていたのが、総理になると一気にトーンダウン。番組では日本テレビ解説委員の小栗泉さんが『これまでも党内の議論は続けられてきた』と指摘して、党議拘束をはずして各議員の判断に委ねてはどうかと提案するも、石破総理は『ひとつのやり方』と認めたうえで、かつての改正臓器移植法案を引き合いに出して『ちょっと違うような気がする』とやんわり否定。この調子だと『議論を続ける』と言うばかりで、選択的夫婦別姓制度の導入は遅々として進まない気がします」(メディア誌ライター)

 先の総裁選の決選投票では189人もの議員が石破氏に票を投じたが、必ずしも政策に同意したものではなかったかもしれない。

(福島シゲル)

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