コメ不足の日本はまだマシか!干ばつ飢饉のアフリカでは政府が「ゾウ」を狩って肉を配布

 日本では米の取引価格が急騰している。

「農林水産省が10月17日に公表した米の取引価格では、23年産の米の全銘柄での8月の価格は玄米60キロ当たり1万6133円で、過去最高だった6月の価格を上回りました。8月は新米の本格的な出荷シーズン前で、1年でも特に米が不足する時期でもありますが、スーパーの棚から米がなくなっていたり、外食で『おかわり自由』のサービスが有料化されるなど、ただでさえ物価高なのに加えて、生活へのダメージとなっています」(経済部記者)

 一方アメリカでは、9月10日のトランプvsハリスのテレビ討論会でトランプ氏が、中西部オハイオ州スプリングフィールドでハイチからの移民が「住民のペットをさらって食っている」と不規則発言。副大統領候補のバンス氏も「有権者からの情報だ」として主張を正当化しており、何の根拠もない発言なのだが、いずれにせよ食料問題は、近年、全世界的な問題となっているのは事実。

 ひときわ深刻なのが、今夏のアフリカの状況だ。

「アフリカ南部のジンバブエでは、エルニーニョ現象の影響で過去40年間で最悪の干ばつの被害に遭っていることから、政府はゾウ200頭を殺処分して国民に食料として提供する決定を下しました」(経済ジャーナリスト)

 同国と周辺5カ国にまたがる保護区では20万頭以上のゾウがいることから、200頭は大した頭数ではないとしているが…。

「アフリカ南部では、ジンバブエとほぼ同緯度で西に位置するナミビアがより悲惨で、過去40年どころか100年で最悪の干ばつに見舞われて、既に8月に野生動物が殺されて食料にされています。こちらはゾウだけでなく、シマウマやカバ、水牛なども含みます」(同)

 エルニーニョによる被害では、地球全体で6800万人の生活に悪影響が出ているというから、米不足で済んでいる日本はまだマシなのかもしれない。だが、食料安全保障を考える上では看過できる問題ではなく、政治の役割が期待される。

(猫間滋)

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