「八方塞がりだった」ジャパネット長女・高田春奈氏「WEリーグチェア退任」の舞台裏

 女子サッカーWEリーグの高田春奈チェア(理事長)が9月18日、オンラインで退任会見を行った。1期2年の任期満了だったとはいえ、新シーズン開幕直前のリーグトップの交代には「事実上の解任だったという声もある」(夕刊紙記者)という。

 新体制は16人いた理事を9人に大幅縮小、8人いた女性理事も一気に3人になる。

「新しい理事の人選に高田チェアは一切関わっていません」(夕刊紙記者)

 高田チェアは通販大手ジャパネットたかた創業者の髙田明氏の長女。J2長崎の社長などを歴任して、22年1月にJリーグ、日本サッカー協会(JFA)の理事に就任。しかし同年9月にWEリーグのチェア(理事長)に抜擢された。

「高田さんにとってもWEリーグチェアのオファーは青天の霹靂でした。Jリーグで社会貢献活動をやりたがっていましたからね」(Jリーグ担当記者)

 この2年の実績を見れば、WEリーグチェアとして確かに目に見えるものはない。退任にあたって高田氏も「インパクトを残すことはできなかったのは私の不徳のいたすところ」と話した。

 そもそもWEリーグはJFA・田嶋幸三前会長の肝煎りでスタートした事業だった。前出・夕刊紙記者が言うには「多くのJFA幹部が今はその(WEリーグの創設)時期ではないと反対だった」というが、田嶋会長は準備金に3億、4年8億の支援金をJFAからWEリーグに支給した。

「観客動員もPR面でも全くうまく回らなかったことで八方塞がりの状況になっていた」(サッカー担当記者)

 JFAからの新たな支援金の準備もなく、国内の有力選手はすぐに海外移籍をする流れができてしまい、WEリーグの認知度は広がる予兆すらなかった。

 新理事長にはJリーグ・野々村芳和チェアマンが、副理事長はJFA宮本恒靖会長が内定しているが、2人とも“本業”があるため「非常勤」となる。今季のWEリーグも前途多難のシーズンになりそうだ。

(小田龍司)

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