「何をやろうとしているか分からない」皮肉も出る日本サッカー協会・宮本恒靖新会長体制の“実質ダブル院政”

 日本サッカー協会(JFA)が3月23日、評議員会と臨時理事会を開き、元代表主将でJFA宮本恒靖専務理事が第15代会長に就任した。戦後最年少の47歳。初のW杯出場Jリーガー会長の誕生である。任期は2年で、「背筋が伸びる思いだ。選手の時からそうだったがサッカーをもっと大きな存在にしたい」と抱負を述べていた。

「ツネ様」の愛称で知名度は抜群、国際サッカー連盟(FIFA)が国際的スポーツ機関で活躍する人材を育成しようと2000年に開設した「FIFAマスター(大学)」の留学経験もある。前会長の田嶋幸三氏は8年という長期政権だっただけに、大いに期待したいところだが…。

「JFA内部では宮本新会長に対し『いったい何をやろうとしているのかわからない』との声も多い。公約についても『強い日本代表を作る』『子ども、女子、シニア層にサッカーにかかわる人を増やす』『サッカーを通じて環境問題へのアプローチなど社会課題の解決に貢献していく』と、どれも具体性に欠けるものばかりですからね」(JFA担当記者)

 もう一つ、JFAに入局してわずか2年あまりで会長に就任したこともウィークポイントだ。

「JFAの仕事の詳細などまだ把握していない部分も多い。入社2年で会社の社長になるようなものです」(JFA関係者)

 そんなツネ様が頼る“後ろ盾”がいる。田嶋前会長と、代表監督として二度W杯を指揮した岡田武史副会長だ。田嶋前会長は「私が“院政“を敷くようなつもりはない。批判を恐れずトライしてほしい」とエールを送っていたが、宮本会長はこの2年、田嶋前会長の“右腕”として働き、切っても切れない関係。また岡田副会長は今回の宮本体制でも副会長として続投する。

「今回の理事を選ぶ委員会(JFA役員等推薦委員会)にも、田嶋氏と宮本新会長がメンバーとして入っている。院政ではないと言われてもムリがありますよ」(前出・JFA担当記者)

 これからのJFA宮本政権は、誰が見ても田嶋&岡田による“ダブル院政”がその屋台骨を支えていくことになる。

(小田龍司)

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