「牛角」がリスキーな“女性半額キャンペーン”に踏み切った背景に「サブスクの失敗」か

 焼肉チェーン大手「牛角」が9月2〜12日まで実施している女性限定で食べ放題メニューの料金を半額にするキャンペーンが、《男性差別ではないか》と物議を呼んでいる。運営するレインズインターナショナルは差別を否定しているが、このキャンペーンを採用した背景にはサブスクの失敗があったのではないかと専門家は指摘する。

「話題の女性限定半額キャンペーンは、7日に開催されるファッションイベント『TOKYO GIRLS COLLECTION』へ牛角が出店するのを記念した企画で、公式アプリに会員登録した上で事前予約が必要となり、9月2〜12日の月〜木曜限定で食べ放題コース(牛角コース、堪能コース)が半額に割り引かれます」(ネットライター)

 レインズによると、「食べ放題での肉の注文量が女性は男性に比べて4皿分少ない」こともキャンペーンを企画した背景にあるという。また、女性だけの利用に限らず、カップル客やファミリー客が利用した場合でも女性の食べ放題料金が半額になりトータルで安くなることから、「女性だけの利用はもちろんのこと、男性も含めたみなさまで、お得な焼肉食べ放題を心ゆくまでお楽しみください」と呼びかけている。

 ただし、「性差別ではないか」という声がネットにあがり、9月5日に配信された「Abema Prime」(AMEBA)に出演したひろゆき氏も「営利企業が利益をあげるために女性を優遇して男性を差別するのをOKだよねとなると、女性の給料低くて良いよね、女性は出世させなくて良いよね、だって営利企業の判断だからってなっちゃう」との考えを示した。

「半額などの大きな割引キャンペーンはかなり話題になりますし、集客効果も大きいのでどこもやりたいんですけど、牛角は2020年に1万1000円で通常3480円の『牛角コース』が1カ月間食べ放題になるという『焼肉食べ放題PASS』というサブスクリプションサービスをはじめたのですが、購入者が殺到して予約で席が埋まってしまい、PASSを持っていても店に入れない状態となりPASSを急きょ販売終了にするという失敗がありました。なので、今回は混乱が起きないように女性に絞って半額キャンペーンを実施したのかもしれません」(経営コンサルタント)

 かつては映画館や多くの飲食店も導入していたレディースデーも時代の流れと共に廃止するところが増えている。そんなタイミングもあって、性別で分けるキャンペーンは受け入れられなかったのかもしれない。

(小林洋三)

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