牛角「食べ放題PASS」販売終了が物語る飲食店サブスクの限界

 1月7日、焼肉チェーン「牛角」を運営するレインズインターナショナルが、1万1000円で販売していた焼き肉食べ放題のサブスクリプションサービス「焼き肉食べ放題PASS」を急きょ販売終了したと発表し、ネット上ではこれを惜しむ声が相次いでいる。
 
「このPASSは、三軒茶屋店、花見川店、赤坂店の首都圏3店舗限定で通常3480円の『牛角コース』が食べ放題になるというもので、1カ月間に3回利用すれば元が取れるという非常にお得なサブスクだったのです」(グルメライター)

 そもそも「焼き肉食べ放題PASS」は昨年11月29日から販売されていたものだが、年明けからSNS上で話題になるやネットメディアやテレビ番組でも取り上げられるようになり、購入者が殺到。対象の3店舗は予約で席が埋まってしまい、PASSがあっても店に入れない状態になってしまったのだという。
 
 なお、レインズインターナショナルによれば、「既にご購入いただいているお客様におかれましては、ご利用対象店舗を下記48店舗に拡大」して対応するというが、2月以降はPASSの更新、販売はおこなわない予定。
 
「PASSの販売終了に対してネット上では、《これ買って毎日牛角生活しようと思ってたのに…》など残念がる声が多く見られますが、3店舗限定で席数は決まっているわけで、売れれば売れるほど客が利用できなくなるのは目に見えていたので、運営側もある程度売れたら終了にすることは想定していたと思います。最近は飲食店でもサブスクを取り入れるところが増えてきましたが、音楽や映画のように商品をデータ化することができませんから、売れすぎると客が店に入れなくなり、売れなければ当然儲からないため、早期撤退するところも少なくないのです」(前出・グルメライター)

 話題提供による宣伝にはなったかもしれない。

(小林洋三)

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