何度もマッサージ屋に通っても取れない下半身の違和感。医者に救いを求めても「少し様子をみましょうか」と言われるだけで、改善の兆しが見えないのであれば「坐骨神経痛」の疑いアリだ! その原因は生活習慣の中に見え隠れしていて——。
太ももやふくらはぎに現れた〝異変〟は、坐骨神経が圧迫されて引き起こされているのかもしれない。大阪府東大阪市、大阪市城東区、寝屋川市、八尾市に4店舗を構える整体院「望夢~のぞむ~」の岡野夏樹総院長が解説する。
「坐骨神経とは、腰から足の先まで伸びる太い神経の束で『末梢神経』の1つ。下半身全体に細かく枝分かれしているだけに、慢性的な負荷がかかると太もも、ふくらはぎ、足の裏などに痺れるような痛みが現れるようになります。血行不良による症状なので、長時間正座をした後に足が痺れる感覚にズキズキした痛みが合わさるようなイメージでしょうか。その症状は突発的なものもあれば、じんわりと現れることもある。『腰椎椎間板ヘルニア』や『腰部脊柱管狭窄』が原因となることもままあります」
あくまで病名ではなく「症状」にあたる坐骨神経痛。医学的エビデンスを得られずに、適切な治療を受けられないケースも珍しくない。
「どうしても、診察はザックリしてしまいます。というのもレントゲンでは、骨の異常を確認できても、筋肉や神経の損傷までは写りません。そのため判別がつかずに、痛み止めや湿布を処方して経過観察になりがちです。とはいえ、半分以上の方が自然治癒するのも事実。違和感を抱えながらも、ほったらかしにしてしまう人がほとんどだと思います」
それでも、用心するに越したことはない。まず、警戒アラートが発令するのは「座り仕事」である。
「タクシードライバーやトラックドライバーは、お尻の筋肉がガチガチに固くなりがちです。どうしても、長時間座りっぱなしの姿勢だと過緊張状態が続いてしまいますからね。コリ固まったお尻の筋肉が神経を圧迫してしまうんです。また、長時間のデスクワークも腰に負担をかけてしまいます。こちらは、背もたれにもたれながら作業をするのが悪いポイントです。背筋が通常のS字カーブではなく、C字になることで腰への負担が集中してしまいます。さらには、前屈みの姿勢や足を組むのも筋肉のバランスを崩して負担が偏る原因になりかねません」
もちろん、「立ち仕事」でも油断禁物で、
「長時間同じ姿勢を強いられる工場のライン工や宅配業の方もよく整体院には来られます。とりわけ、前屈みの動作は腰に大きな負荷を与えてしまう。重い荷物を上下するのはリスク要因に他ならないんです」
日々の負荷の積み重ねにより、体が悲鳴を上げてしまうのだ。
【坐骨神経痛チェックシート⑫】
セルフチェックで4点以上は近くの医療機関へGO!
①こむら返りになることが増えた 1点
②常にふくらはぎがパンパンに張っている 1点
③車の運転を1時間以上する仕事だ 1点
④デスクワークで背もたれにもたれがちだ 1点
⑤1時間以上立ちっぱなしの仕事だ 1点
⑥入浴をシャワーだけで済ませがちだ 1点
⑦和式便所に跨る姿勢が取れない 1点
⑧周囲から「猫背」だと言われたことがある 1点
⑨重たい荷物を運ぶ仕事だ 2点
⑩ガニ股である 2点
⑪反り腰である 2点
⑫足の指でタオルを摑めない 2点