スタバがコーヒー豆販売で10年間の過剰請求「返金方法」の物議と難しさ

 スターバックスコーヒージャパンは、一部のコーヒー豆商品の価格を本来の価格より高く過請求していたと発表し、謝罪した。システム設定の不備によるものだというが、その返金方法が物議を醸している。

「過剰請求があったのは、コーヒー豆164種類。バーコードスキャンではなく、店員がグラム数を入力して会計した場合に、システムに不備が発生し1商品あたり1~65円多い金額を請求していたといいます。不備があったのは2014年9月12日~24年1月31日までのおよそ10年間。総数は5896件にのぼり、合計で12万4033円多く徴収されていたそうですが、2月1日時点で不備は解消されたとのことです」(社会部記者)

 これを受け同社は、過剰請求分の返金も発表。スターバックスカードで購入した客に対しては7月8日にカードに差額分を入金したというが、それ以外の決済方法で支払った客にはレシートの記載内容を伝えるか、購入した店舗、購入商品、購入時期を伝えてデータと照合・確認して返金するとしている。ただ、何せ過剰請求は10年前からで、レシートを持っている人は少ないと考えられ、またレシートがなければ過剰請求だったどうか客側が判断できないことから、《本当に返金する気があるの?》といった厳しい意見もネット上に寄せられているのだ。

「飲食チェーンの過剰請求の場合、顧客の情報を持っているわけではないので、レシートを確認するか、店舗側に残っているデータと照合するかしか方法はないでしょう。加えてある程度の証拠を客側に求めなければ、不正請求されることも考えられる。いずれにせよ、今回の対応が妥当だったのかもしれません」(フリージャーナリスト)

 スターバックスカード以外で支払った人は2148件いるというが、果たしてどれだけの人が返金対応を受けられるのだろうか。

(小林洋三)

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