7月10日から発売が始まるJRの快速・普通列車1日乗り放題×5回分がセットになった「青春18きっぷ」。年間60万枚前後を売り上げるヒット商品で、鉄道に興味がなくても旅行や帰省で利用した経験のある人は少なくないはずだ。
とにかく遠くに安く行きたい人にはオススメだが、実はJRにはお得度では双璧をなすきっぷが存在する。それが「北海道&東日本パス」だ。
普通・快速列車が乗り放題なのは同じで、有効エリアはJR東日本とJR北海道の両管内。それでも18きっぷでは乗車できない青い森鉄道線(青森-目時)、いわて銀河鉄道線(目時-盛岡)、北越急行線(六日町-犀潟)の第3セクター鉄道3社の路線も利用可能だ。
違いはこれだけではない。金額は1万1330円で有効期間は連続した7日間。青春18きっぷのように間隔を空けての使用、5人で1回で使用するといった使い方はできないが、1日あたりに換算すると1619円。これは青春18きっぷの2410円より約790円も安い。
「さらに利用期間も7~9月の3カ月間と長い。7月13~15日の3連休に加え、今年は2週連続で3連休となる9月のシルバーウィーク(9月14~16日、21~23日)を挟む形でそれぞれ使うこともできます」(旅行誌編集者)
なお、特定特急券(※3800~4400円。最繁忙期、繁忙期、通常期、閑散期で変動)を別途購入すれば、北海道新幹線で新青森-新函館北斗の移動も可能となる。
もちろん、青春18きっぷでも専用のオプション券を買えば移動でき、こちらは2490円と安い。だが、北海道新幹線の乗車可能区間は奥津軽いまべつ-木古内となり、木古内から先は第3セクター鉄道の道南いさりび鉄道を利用しなければならない。
「また、青森方面から在来線で奥津軽いまべつ駅に向かうには、途中の蟹田駅から代行バスに乗り換えるのですが1日3往復と極端に少ない。鉄道で津軽海峡を越える場合、追加料金は少しかかりますが利便性も移動時間も北海道&東日本パスのほうが上です」(同)
有効期限の7日間をフルに使えば、出発地が東京でも北海道に最大5日間滞在できる。目的地や旅のスタイルによっては青春18きっぷ以上にお得なことを覚えておこう。