家系ラーメンといえば、こってりした豚骨ベースの醤油スープともっちりの中太麺が特徴。神奈川県横浜市で発祥地し、「家系」を謳う店舗は北海道から沖縄まで全国に広がりを見せている。グルメライターが解説する。
「横浜市で1974年に創業した吉村家が元祖で、同店で修行した人たちがのれん分けの形で各地に出店。屋号に『家』を冠したことで、『家系』と呼ばれるようになりました。創業者が『家系ラーメン』の商標登録をしなかったこともあって、『家系』を謳う店が乱立。大手外食企業も参入し、チェーン展開しましたが、こちらは店でスープを炊くことはなく、セントラルキッチンで作られたスープを使用。従来の『家系』とは一線を画し、“資本系”とも言われています」
そんな中、話題を集めたのが6月17日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)。前週10日の放送で株式トレーダーの若林史江氏が「家系ラーメンに入って、うずらじゃない時に何回か(店を)出たことあります」「家系ラーメンの元祖はうずら」という発言を振り返り、「うずら入りの家系ラーメン」をリサーチした。
VTR出演したラーメン評論家の山路力也氏は吉村家の名をあげて、ほうれん草、チャーチュー、のり3枚という基本のトッピングを解説。「吉村家さんにはうずらの卵は入っていないので、うずらの卵の元祖は吉村家さんではない」と若林氏の発言を否定した。若林氏はワイプの中で「ごめんなさい」と謝罪していたが、どうして勘違いが生まれてしまったのか。
「番組で紹介された家系ラーメンの”家系図”を見ると、吉村家を頂点として、弟子や孫弟子の店がいくつも派生していることがわかります。なお、吉村家の家系の店で、トッピングについて細かい決まりがあるわけではありませんが、ごく普通の煮卵が一般的で、うずらをトッピングメニューに取り入れる店は聞いたことがありません。若林さんが足しげく通っていたのは、横浜市磯子区にある『壱六家』。初代社長がうずらが好きだったという理由で、同店はもちろん、同店を源流とする“壱系”では、うずらを使用するようになりました。チェーン展開する“資本系”の店舗でも、使われるのはうずら。そのため家系の愛好家の中には、うずらトッピングを邪道とする人間もいます。『うずらが元祖』という若林さんの発言について、ネット上では《これは炎上ネタ》《うずらは家系の元祖?》などと疑問視するコメントもあがっていましたが、今回の検証企画でモヤモヤが晴れたという視聴者も多かったのではないでしょうか」(前出・グルメライター)
番組が紹介した家系ラーメンの家系図には驚きの声があがっていたが、今後もパンチのきいた検証企画をオンエアしてほしい。
(福島シゲル)