映えないSNS「BeReal.」仏ゲーム会社の買収で魅力が半減してしまうのか

 Z世代を中心に“映えないSNS”として人気急上昇中の「BeReal.」が、フランスのゲーム会社大手Voodooに5億ユーロ(約844億円)で買収されたことが分かった。今後は収益化の改善をはかるためゲーム的な課金要素が加えられる可能性もあり、それが原因で若者たちが急速に離れていくリスクを心配する声もある。

「BeReal.は深夜や早朝を含めたランダムな時間に毎日通知が届き、基本的には通知から2分以内にインカメラとアウトカメラで2枚の写真を撮影して投稿しなければなりません。投稿する写真は盛ることもできず、その時の仲間のリアルな姿が見られるとあって、映え疲れした若者たちから人気を博しています。日本では2023年に入ってから人気に火が付き、わずか1年で月間アクティブユーザーは10倍以上となり、今年2月にはアメリカに続く世界2位にまで急成長しています」(フリーライター)

 そんな全世界で4000万人のユーザーを抱えるBeReal.を買収したのは、アプリダウンロード数ではMeta、Googleに次ぐ世界3位のパブリッシャーとなるVoodooだ。CEOのアレクサンドル・ヤズディ氏は今回の買収について、「Voodooのノウハウと差別化されたテクノロジーを活用し、BeReal.を拡大できる」と意気込みを語っており、BeReal.が抱えている大きな問題といわれているマネタイズの改善に取り組んでいくとみられる。

「BeReal.は『ありのままの姿を恥ずかしがらずに見せていこう!』をコンセンプトにフィルターなし、“いいね”なし、広告なしなどを掲げていますが、Voodooが買収したことで広告は積極的に導入されるでしょうし、ゲーム会社ということで写真を撮影する際に課金アイテムが利用できるといった要素が追加されるのではないかと予想されています。ただ、このアプリは友達や好きな異性のリアルな姿を見られることが大きな魅力ですから、広告や課金といった要素は嫌がられる可能性も高いと考えられます。とくに利用者は10代20代のZ世代が多いことから、一度冷めてしまうと一気にブームが下火になることもあるのではないでしょうか」(ITジャーナリスト)

 買収されたSNSはその後成功しないというジンクスもあるが果たして…。

(小林洋三)

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