「古い紙幣を振り込んでくれたら…」20年ぶり新紙幣で大警戒すべき詐欺手口

 7月3日に新紙幣が発行される。紙幣のデザインが一新されるのは2004年以来、約20年ぶりとなる。

 新たな紙幣には、1万円札に「近代日本経済の父」と呼ばれる渋沢栄一、5千円札に日本で最初の女子留学生としてアメリカで学んだ津田梅子、千円札に破傷風の治療法を開発した細菌学者の北里柴三郎の肖像が入る。

 新紙幣では偽造防止の技術を強化し、世界で初となる最先端のホログラム技術を導入。さらに誰にでも利用しやすい「ユニバーサルデザイン」が配慮され、額面の数字を大きくしたほか、指で触って識別できるマークをはっきりさせている。

 あと1カ月となり、券売機や自動販売機、両替機などの買い替えに迫られている店舗も多いと聞くが…。

「銀行や鉄道などはほぼ対応が終了している一方、ラーメン店やコインランドリーなどは券売機などの更新費用が負担になっていると聞きます。お店で新紙幣を旧紙幣に交換したり、完全キャッシュレス化に移行することで対応する店もあるようです。また今回の新紙幣発行の本当の狙いはタンス預金を吐き出させることと、キャッスレス化の促進ともいわれています」(夕刊紙記者)

 当然、新紙幣の発行後も今の紙幣はこれまで通り使うことができるが、このタイミングで注意したいのが「詐欺」だ。

「新紙幣発行に合わせて『古い紙幣は使えなくなる』『古い紙幣を振り込んでくれたら新しい紙幣に交換します』といった振り込め詐欺やフィッシングメールが出回る可能性が指摘されています。日本銀行も5月29日にXで『従来のお札は、新しいお札が発行された後も、引き続き、使うことができますので、新しいお札に交換いただく必要はありません。“従来のお札が使えなくなる”といった誤った情報や詐欺行為などにご注意ください』と注意喚起しています」(同)

 このところSNS投資詐欺やロマンス詐欺などが増えているだけに気をつけたい。

(鈴木十朗)

ライフ