「現行紙幣が使えなくなる詐欺」に日銀が注意喚起も「新紙幣のほうが使えない」という皮肉な現実

 財務省と日本銀行は12日、デザインを一新した新紙幣を2024年7月3日に発行すると発表した。「現在流通している紙幣は使えなくなる」などと騙る詐欺にも注意するよう呼びかけているが、《むしろ新紙幣の方が使えないのでは?》との声もある。どういうことか?

「紙幣は偽造防止などの目的で約20年ごとに刷新されます。現在の紙幣は04年に発行されたので来年でちょうど20年となり、新紙幣に切り替えられることになります。デザインは、1万円札に渋沢栄一、5千円札に津田梅子、千円札に北里柴三郎となっていて、偽造防止のため動かすと人物の向きが変わる3Dホログラムも世界で初めて採用されています」(社会部記者)

 紙幣切り替えに伴い、財務省と日本銀行は現行紙幣が使えなくなるといった詐欺について注意喚起しているが、ネット上では《年配者ほど何度も紙幣の切り替えを経験してきているので大丈夫では?》と楽観的な意見も多く、それよりも新紙幣がどれだけ使えるか心配する声もある。なお、21年11月から新たに発行された新500円玉は未だに使用できない自動販売機が少なくない。

「駅の券売機など公共施設のものは新紙幣登場と同時に使用できるようになるでしょうが、駐車場の料金支払い機や飲食店の券売機、自動販売機など民間のものは新紙幣が出てもすぐに対応するのは難しいかもしれません。最近ではキャッシュレス決済に対応した支払い機も多く登場していますから、あえて新紙幣対応のものには切り替えないというところも出てくるかもしれませんね」(経済ジャーナリスト)

 新紙幣はかなり使いづらいものになるかもしれない。

(小林洋三)

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