「三菱商事」が9月20日、シンガポールにある石油関連会社のデリバティブ(金融派生)取引で約345億円の損失が発生する見込みであると発表。この取引は中国籍の元社員が1人で行ったものとみられ、データを改竄して隠匿していたという。
「今年1月から、中国の顧客向けの原油取引の価格変動リスクを抑えるヘッジ取引と偽って先物取引を繰り返しており、7月以降の原油価格下落によって損失が拡大したといいます。三菱商事は、この中国籍の男性が8月中旬頃から欠勤していたため取引内容を調べたところ、約345億円の損失が発覚したそうです」(社会部記者)
この報道にネット上では、《バックレるまで実態に気付かない会社って相当やばい》《まだ入社半年の中国人社員になぜそんなポジションを与えたのか》との疑問が続出。加えて、《わざと損害を与えるようにやった可能性もあるのでは》などの陰謀論も見られた。
「金銭以外の陰謀があったかどうかは分かりませんが、三菱商事の防犯意識の低さを狙われたことは間違いないでしょう。今年8月には、トヨタ紡織のベルギーの子会社が、外部からの虚偽の指示によって約40億円の資金が流出した“ビジネスメール詐欺”の被害に遭ったばかり。このような事件が続くと、“日本企業のセキュリティは甘い”というレッテルを貼られかねないので、とくに海外展開する企業は早急な対策が必要です」(経済評論家)
345億円の損失が氷山の一角だったとならないよう、気を引き締めていただきたいものだ。
(小林洋三)