政治と金の問題をめぐり、国民から総スカン状態の自民党。政権交代の気運が高まる中、立憲民主党が掲げる「次の内閣」で「ネクスト総理大臣」に挙げられている泉健太代表が、日本維新の会・馬場伸幸代表とともに5月29日放送の「報道1930」(BS-TBS)に出演。政治資金規正法改正の議論を踏まえ、2人の「収入内訳」が公開された。政治記者が語る。
「2022年の政党支部、資金管理団体、講演会の収入を合算したもので、泉代表は約7288万円。馬場代表は約5286万円でした。国会議員は複数の政治団体で資金を管理しているため、収入の総合計はなかなか見えにくい。その点では画期的な試みだったと言えます」
2人に共通しているのは、「前年繰越金」が最も多額になっている点だ。泉代表は約3181万円、馬場代表は約2161万円を計上していた。メインキャスターの松原耕二氏が「繰越金がこんなにあるのはなぜですか?」と質問すると、泉代表は「いつなんどき、選挙があるかわからない、とか。あるいは、党の代表になって、いろんな形で出費も増えていて、財政的にある程度余裕を持っておかなければいけない。そういうことはいろいろとありますね」と語った。
また、約7288万円の収入のうち約1801万円と、約4分の1を占めていたのが「政治資金パーティー」。野党はこの政治資金パーティーを全面禁止する法案を提出しており、松原キャスターは「全廃ですよね。これなくなったらやっていけるんですか」と問えば、泉代表は政治資金パーティーの目的を「私設秘書の人件費にあてるため」と説明。そのうえで「自民党と野党が“政治資金パーティー合戦”をしてどんどんお金を集める力が増してしまうと、今度は新たに政治の世界に参入する人にとっては差がつけられてしまう」と述べて、「政治の世界全体のダウンサイズを図っていくことは可能」と、政治資金パーティーの全面禁止を訴えていたが…。ネット上では《7000万円もらってたら増税しようが屁でもないな》《選挙のために3000万円繰越。そんなにかかるの?》《歳費と合わせたら1億円超えか》《立憲民主も自民も大差ない》などと落胆する声があがっていた。
「立憲民主党といえば、政治資金パーティーを全廃する法案を提出しておきながら、岡田克也幹事長がパーティー開催を予定していたことで、猛バッシングを受けました。泉代表は『私設秘書の人件費のため』と説明していましたが、選挙に備えて3000万円以上を繰り越している点などを含めて、『政治には金がかかる』と言わんばかり。なお、選挙に関しては、ビラやポスター、看板の作成など、選挙運動の大部分は公費で賄われていることも忘れてはいけないと思います」(政治記者)
与野党の対決が「マネーゲーム」にならならいよう祈るばかりだ。
(福島シゲル)