岸田文雄は足元にも及ばない歴代総理との「致命的な差」(2)10年先を見通すか“その場しのぎ”か

〈30年ぶりに経済の明るい兆しが出てきました〉

 4月27日に岸田総理が自身のXに投稿したメッセージに、1万3000件のコメントが殺到。ほぼすべてが批判的なものだった。

 経済対策を「一丁目一番地」と豪語しながら、国民の生活は歯止めのかからない円安と物価高で困窮する一方。岸田総理は企業に「賃上げ」を要求するばかりだが‥‥。

 経済で日本を立て直した池田勇人元総理のすごさを力説するのは、「戦後総理36人の採点表」(ビジネス社)の著者で、政治評論家の小林吉弥氏だ。

「岸田総理は宏池会の大先輩を真似して『所得倍増計画』をやろうとしたけど、一貫性に欠けて成果が表れていません。池田氏の場合は、人心掌握には経済しかないと割り切り、『経済のことは、この池田にお任せください』とCMまで流し、経済成長を最優先。欧州歴訪した際には、日本製品の海外進出に熱弁をふるい、皮肉られてもお構いなしでみずからセールスマンとなって売り込み、当初目標の10年を待たずして所得倍増計画を達成しました」

 一方、70年代に発生したオイルショックで、難しいかじ取りから経済を立て直したのは、78年に総理に就任し、演説や答弁での「あー」「うー」で有名な大平正芳氏。民間人有識者による研究会を9つ設置し、「田園都市構想」など長期を見据えた政策を提唱した。

「10年先を見越して道筋を作るのが政治家の腕の見せどころで、80年代に好景気をもたらしたのは大平氏の功績が大きい。岸田総理が未来を見据えた経済政策を打ち出しているかと言えば、その場しのぎだけで先につながるとは思えません」(山村氏)

 大蔵省出身ながら庶民の心がわかる政治家と言われていた大平氏に対し、党人派の菅義偉前総理(75)はかゆいところに手が届く経済政策で存在感を示した。小林氏が解説する。

「コロナの感染拡大や対策が後手に回って短命政権でしたが、『国民のために働く内閣』を標榜し、強気の政権運営で『スガノミクス』を断行。特に不妊治療の保険適用や携帯電話の料金値下げに執念を燃やし、国民生活に直結する政策を矢継ぎ早に打ち出しました」

 庶民が関心を寄せるのは、日々1円単位で変わる野菜の価格や右肩上がりで高騰している電気料金だ。

 90万円の懐石料理や50万円の高級中華料理を食べる「上級国民」には、馬耳東風かもしれないが‥‥。

(つづく)

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