「日本で働きたくない」と回答した在留外国人が挙げる円安以外の「耳が痛い理由」

 日本企業の慢性的な人手不足に関し、外国人への就労門戸開放が議論されて久しい。だが、為替市場では4月19日に円が154円台半ば進むなど、外国人にとって日本で働くメリットが著しく減少している。そんな現状を如実に表す調査結果が公表された。

 外国人材就労支援のマイナビグローバルが、4月15日に日本在留の外国人を対象にアンケートを行ったところ、日本で働くことに後ろ向きな回答理由のトップに「円安」が挙がったのだ。

「今後も日本で働きたいか否かという設問には、91%の人が働きたいと回答しているので、依然として日本人気は高いのですが、22年の調査では96.8%でしたから、この2年間で5%以上も下がっています」(経済ジャーナリスト)

 観光地では1杯何千円もする「インバウン丼」が飛ぶように売れている一方、賃金としての円の弱さが浮き彫りになった形だ。また、円安以外の後ろ向きな理由については、

「多かったのが、『長時間労働など、働く環境が悪いから』といったものや、『将来的に日本の経済が発展しなさそうだから』など。この2つと円安で、働きたくない理由の80%以上を占めています」(前出・ジャーナリスト)

 在留外国人は、為替の動きだけでなく、日本企業の実態も冷静に見ている、ということか。

(猫間滋)

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