中日ドラゴンズが開幕ダッシュに成功した。勝負のかかる就任3年目の立浪和義監督も「今年はこれまでとは違うドラゴンズをお見せできる」と相当な手応えを掴んでいるようだ。
4月9日のDeNA戦での勝利で、約8年ぶりとなる単独首位に立った中日。その好調ぶりは決して偶然ではない。自慢の投手力が今年は開幕から充実しているからだ。
「開幕からまだ11試合ですが、チーム防御率はセ・リーグで唯一の1点台とダントツのトップです。投手を軸とした守り勝つ野球が、今年はできているということ」(中日担当記者)
2年連続最下位とボロボロだった中日を復活させるべく立浪監督が参考にしたのは、昨年、中日と同じく長期低迷が続いていた阪神の岡田彰布監督の“四球”を意識した戦い方だった。
「岡田監督は四球を選んだ選手の査定をアップしましたが、立浪監督は先行逃げ切りで守りを貫く野球を目指すべく、投手に対して四球を出さないことを強く求めたんです」(同)
4月5日から7日にかけての広島戦では、柳裕也―涌井秀章―メヒアの先発で12年ぶりとなる3試合連続完封勝利を達成。その3連戦では4つしか四球を与えていない。
「もともとクオリティーの高い投手陣ではありますが、この春のキャンプではOBの今中慎二氏に11年ぶりに臨時投手コーチを依頼。立浪監督が『四球を減らすのに知恵を貸してほしい』とオファーをかけたんです」
この守り勝つ立浪野球が完成すれば、3年連続最下位はあり得ない。
(小田龍司)