いったい本当に間に合うのか。そんな先行きが不安視されるばかりの大阪・関西万博。4月8日には、13日に開幕1年前を迎えるにあたって、「お知らせ」が告知された。みなでSNSで「1年前」をアピール。開幕機運を高めようという〝お願い〟だ。
一方、その前日の7日には、共同通信が企業・団体など協賛企業へのアンケート調査の結果を発表。すると「気運醸成に課題」との回答が82%に上ったという。つまり「盛り上がっていない」というわけだ。残念な現実をわざわざ突きつけるようなアンケートを行なわなくとも…と思うのだが、残念なものは残念なものとして受け止めなければいけないのも現実なので、まあ、仕方がない結果とも言える。盛り上がっていないのだから。
するとやはり8日にはあの木造の「大屋根リング」が「8割組みあがった」としてマスコミに公開されたのだが、これにもやはりケチがついた。
「344億円もの建設費がついたことには、高すぎるのではとの声が上がっていました。またいかにも日本の伝統的な木造建築の象徴と思わせつつ、実際はフィンランド製の集成材が使われていたり、『清水寺と同じ木組みの工法』と吉村洋文・大阪府知事が胸を張っていたものが、実はボルトやナットだらけで、ボコボコ穴が空いた木材に、万博後の再利用の用途先も不明と、やはり残念な現実がネットやSNSでは盛んに叫ばれています」(大阪マスコミ記者)
なかなか進まないパビリオン建設も、ここに来て開幕後の工事継続が是認されたり、参加国・団体が自前でパビリオンを建設するタイプAからタイプCへの移行も徐々に増えていて、建設業の2024年問題が本格化する今後、さらに本格化しそうだ。
さらに大きなインパクトを与えたのが、3月28日に起こった爆発事故だ。
「開催地の夢洲は廃棄物の埋め立て地で、以前からメタンガスが漏れ出る可能性が指摘されていましたが、それが現実に起こったのです。すると共産党の機関紙『しんぶん赤旗』では、4月3日に『関西万博 どこでも爆発』というセンセーショラルな見出しの記事を掲載。これを受け、SNSでは『地雷原の上を歩くよう』などと危険視する声が殺到。5日にはそれまで食品の持ち込み禁止だったものが、吉村知事の『手作り弁当を持ち込んで楽しみたいという要請は多いと思う』との鶴の一声で、食品の持ち込みがOKになりましたが、これなどもネットやSNSでは、ガス爆発で飲食店を呼べないから、といった見方で盛り上がっています」(同)
「進むも地獄、退くも地獄」の様相になっている万博。ラスト1年で、これからが本当の正念場だ。
(猫間滋)