絶好調「半導体株」ド素人のための投資マニュアル(2)株価上昇は25年初頭まで続く

 半導体は需要と供給のバランスが3年周期で上下を繰り返し、株価は先行して、大きく上下動する。では、現在の株価上昇はいつまで見込めるのか。

「24年いっぱい、25年初頭までは、今の半導体の好調が続くと思います。株価が下がり始めると焦って、売りに出してしまう人がいますが、そこはグッと我慢して、長期保有を目指してみてください。ちなみに優良な半導体株であれば、売られた後にちゃんと買われて、値段が戻ります。株価が安くなった時というのは、むしろ考え方によっては買い時なのです。あえて購入を株価が下がる時まで待つのも作戦の1つですね」(ちょる子氏)

 短期よりも長期。半導体株の特性と購入タイミングを理解できたら、イザ、銘柄チェック。しかし半導体メーカーには、アメリカのエヌビディアやインテル、台湾のTSMCといった海外のトップ企業、あるいは東京エレクトロンやアドバンテスト、ソニーなどの日本企業がある。どこに投資すればいいのか、悩ましいところだ。

「正直、好みの部分が大きいですが、個人的には日本株ですね。理由は大きく分けて2つあります。1つは為替に左右されないということです。海外の半導体株を安く購入できても、円安だとその分高くなってしまいます。もう1つは、情報収集のしやすさです。例えばエヌビディアの情報を得ようとすると、英語のページから情報を得なければいけません。意外と負担になるため、日本語で情報が手に入る日本株を購入しています」(バク氏)

 半導体投資を始めるにあたってもう1つ考えたいのが、企業ごとの個別株を購入すべきか、あるいは半導体企業の株がセットとなっているETF(上場投資信託)で購入するのか。ちょる子氏が必勝法を伝授する。

「例えば東京エレクトロンの個別株を買おうとすると、最低購入数が定められているため、(3月29日現在で)400万円ほどかかってしまう。なかなか気軽に投資できる金額ではありませんよね。一方で半導体のETFである『半導体フォーカス 日本株(ネットリターン)ETN(163A)』ならば1株(1万300円前後)から購入可能です。コツコツ少額投資できますし、個別の会社を自分で精査して投資先を決めるという手間も省くことができます。ただしその分、手数料がかかってしまうことが難点です。これから投資を始めるという方ならば、ETFからスタートして、慣れて投資のイメージがつかめてきたら個別株を購入してみるという方法も有効だと思います」

 積み立て投資でコツコツと。バブルの半導体株も投資手法は手堅くいきたい。我々の懐を照らす明るい灯となればいいが、いずれにせよ、投資は自己責任であることをお忘れなく。

「週刊アサヒ芸能」4月11・18日号掲載

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