4月10日、WOWOWで「さだまさし50th Anniversary コンサートツアー2023~なつかしい未来~」が放送される。
「アーティスト活動50周年を記念して昨年開催された、まったく違う内容の4公演が一挙に放送されます。放送日は、さだの72歳の誕生日。70歳を超えてからもますます元気で、かつてと変わらぬ歌声とお馴染みのトークが満載のさだのコンサートには、どの会場も大勢のファンが詰めかけています。これをきっかけに、さらにファンを増やすのではと期待されています」(音楽関係者)
フォークデュオ「グレープ」でデビューし、2作目のシングル「精霊流し」がヒット。ソロとなってからは78年に「関白宣言」が150万枚を超える大ヒット。山口百恵に提供した「秋桜」や「案山子」も人気となり、国民的シンガーソングライターとして誰もが認める存在となった。
特筆すべきはコンサート回数だ。現在4600回を超え、単独歌手の公演数の日本記録を更新し続けている。
「なぜ、こんなにもステージに立つことになったのか。もちろんファンの要望もありますが、実は、大ヒットを連発していた20代に負った莫大な借金の返済のために、過密なスケジュールを組んだことが始まりでした」(前出・音楽関係者)
さだは80年から81年、日中合作ドキュメンタリー映画「長江」を製作。総監督、主演、音楽を担当した結果、なんと35億円もの借金を作ってしまったのだ。
「満州育ちで過酷な人生を送った父親への恩返しにと、『関白宣言』と『親父の一番長い日』の大ヒットで得た資金2億円を注ぎ込んで製作に入りましたが、撮影を続けるために借りたお金は28億円にも膨らみ、利息を合わせると35億円もの借金に。そこまでして製作した作品でしたが、テレビ局のサポートもなく、PR不足もたたって興行的に大失敗。この借金はさだ個人が被ることとなりました。28歳の時のことでした」(前出・音楽関係者)
以来、多い年には年に160回、3日連続、5日連続という公演を繰り返し、1年間で日本を2周したこともあったという。そして2010年に見事、借金を完済。30年が経っていた。
「相当に苦しい時代もあったはずですが、その軽妙な語り口で借金のことを自虐ネタにして笑いをとることも多く、さだのコンサートはいつも笑いに溢れて、見る者に悲壮感を感じさせません。何より、圧倒的な歌の力を持つさだだからこそ、可能ならしめた偉業といえるでしょう」(前出・音楽関係者)
5月も6月も、コンサートの予定がズラリ。1万円を超えるチケットは、ほぼ完売している。
(露口正義)