紅麹ショックも何のその。3月19日以降、日経平均株価は4万円前後をキープしている。その躍進を牽引した原動力が「半導体」だ。まさに今、空前の大ブームとなっているが、株式投資のド素人でも恩恵にあずかることはできるものだろうか。
半導体株というビッグウェーブに乗って一攫千金。そんな夢を見てしまうのが、人情というものだろう。
そもそもブームが訪れたきっかけをおさらいしておこう。ユーチューブやSNSなどで株式投資について解説する投資家のバク氏が解説する。
「2020年から始まった、コロナショックの影響が大きいですね。あの頃から在宅ワークが進み、製造に半導体が必要なパソコンやスマホの需要が一気に高まりました。ところが、半導体の工場はコロナの影響もあって稼働停止。需要が多いのに、供給ができない。結果、半導体の値段が一気に跳ね上がったんです」
さらには新型コロナが5類感染症となった昨年、人工知能チャットボットのチャットGPTが話題になった。このことも半導体ブームの追い風になっているという。Xなどで株式投資の情報を発信する個人投資家インフルエンサーのちょる子氏が語る。
「チャットGPTはジェネレーティブAIを利用したサービスなのですが、やはり半導体が不可欠です。昨年だけでもあれだけ話題になって半導体ブームを押し上げてくれましたから、24年も期待が持てます。今やエアコンや冷蔵庫といった家電にもAIが使われるようになっていますから、今後も需要は手堅く伸びていくでしょう」
さらなる成長が見込める半導体ブーム。バク氏によれば、半導体市場は30年までに2倍以上に大きくなるとの予測が出ているという。とはいえ、儲け話には得てして落とし穴があるもの。バク氏が注意喚起する。
「現在の各銘柄の株価を見ていると実体よりも大きい値上がり幅となっています。つまり今後の成長を見越した株価となっていて、バブル気味になっているということです。この一過性のバブルで、投資初心者が一攫千金を狙って半導体株を買うのはギャンブル要素が高いため、お勧めできません。バブルの揺り戻しで株価が下がってしまって、短期的には損をしてしまう危険性が十分にあります。半導体市場は上がったり、下がったりしながら成長していきますから、5年、10年といった長期的なスパンで投資することがお勧めです」
何事も焦りは禁物。目先の利益ばかりを追えば大ヤケドを負うことになる。
(つづく)