大谷翔平の会見で「アイアトン新通訳が英訳しなかった一文」はなぜ生じたのか

 ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が、通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博問題に関する会見を開いたのは3月26日(日本時間)。

「結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、僕の周り、みんなにウソをついていた」と自身の賭博や送金への関与を完全否定。一方、質疑応答はなく、他人の口座から巨額の金をブックメーカーへ送金可能なのかという疑問が残り、米メデイアでは大谷の潔白を信じられないとする声も根強く存在する。

 3月30日放送の「今田耕司のネタバレMTG」(読売テレビ)では、この会見の話題をピックアップ。新通訳のウィル・アイアトン氏が、大谷の発言をメモして忠実に訳していたことに言及した流れで、カナダ出身で英語、仏語、中国語も話せる吉本新喜劇の曽麻綾は、大谷の発言で“英訳されなかった一文”があると指摘していた。

 声明の最後に「シーズンに向けてまたスタートしたいですし、今日まずお話しできて良かったなと思ってます。これが今お話しできる全てなので質疑応答はしませんが、これからさらに(調査が)進んでいくと思います」との言葉があったが、そのうち「これが今お話しできる全てなので質疑応答はしませんが」の部分が訳されていなかったと説明。

 さらに「その英文があったら、もしかしたら、いま大谷さんがこれ以上提示できることがないから、質疑応答しないんですよ、というのが(伝わっていたのでは)」と語った。

 MCを務める今田耕司が「海外の記者はわかってないねや?」と言うと、「可能性はあるんじゃないかな」と答え、月亭八光は「貴重な意見やね」と口にしていた。

「水原氏はメモを取らず意訳が多く、アイアトン氏は忠実に通訳するタイプとはよく評されている。ただ、曽麻も『伝えないといけないことは伝わてはいる』としたうえで英訳しなかった部分を指摘している通り、アイアトン氏もそこまで丁寧に説明する必要はないと判断したのかもしれません。彼は東京生まれで、父が日系アメリカ人、母がフィリピン人。2013年のWBC予選ではフィリピン代表入り。ドジャースではデータ分析を担当していましたが、16年にドジャース時代の前田健太の通訳を務めたことがあり、水原氏の解雇により通訳に復帰。15年には吉本興業のスポーツマネジメント部門の社員だったこともあります」(スポーツライター)

 水原氏もそうだったが、今後はアイアトン氏の仕事ぶりも大いに注目されそうだ。

(鈴木十朗)

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