今度はアツギ公式Xが運用停止…企業アカウントの「中の人」が暴走してしまうワケ

 ストッキングなどのレッグウェアを販売するアツギが3月26日、公式Xの運用管理において不適切な状態にあったとして謝罪した。これまでも企業公式アカウントの、いわゆる「中の人」の暴走により炎上し企業が謝罪に追い込まれるケースがいくつもあったが、なぜ中の人たちは一線を越えてしまうのか。

「アツギによれば、X公式アカウント(@ASTIGU)が行ったリアクションについて多くの意見が寄せられ、社内調査をしたところ運用規定が遵守されておらず不適切な運用管理があったといいます。不適切な運用というのは、フェミニストに対しての批判的な投稿に同アカウントが『いいね』を付け、X上で問題視されていた件だと思われます」(フリーライター)

 アツギの公式Xは昨年11月にも「黒タイツだと芋くさくなる人」との文言に批判が寄せられ、また2020年11月には「ラブタイツキャンペーン」で投稿された一部のイラストが性的な描写を連想させると指摘を受け、いずれも謝罪している。また、アツギ以外でも20年9月にはドン・キホーテの公式インスタグラムが「みんなはドンキで何盗んだことある?」と投稿して炎上。同10月にはタカラトミー公式Xのリカちゃんの「#個人情報を勝手に暴露します」とのハッシュタグが付いた投稿が性犯罪を連想させると批判が殺到したこともあった。

「企業公式アカウントの投稿は、いわばその企業そのものの声ともいえる非常に重要なものなのですが、意外にもこうしたアカウントは一人の社員によって運用されているケースも少なくない。そのため、企業のために話題を呼ぶような投稿をしようとして行きすぎた表現をしてしまったり、フォロワーを自分のフォロワーだと思い込み高圧的な態度を取って炎上するケースなども跡を絶ちません。企業のSNS担当なんてめちゃくちゃ大事なポジションですが、未だにワンオペ運営など軽視している企業も珍しくないのです」(ビジネス講師)

 企業アカウントの運営には、ダブルチェックやトリプルチェックが必要だ。

(小林洋三)

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