11月2日、日本記念日協会が制定する「タイツの日」にタイツメーカーのアツギ公式ツイッターが「#ラブタイツ」キャンペーンとして、人気イラストレーターらとコラボし、タイツを穿いた女性のイラストをリツイートするなどして紹介。しかし、これが《性的搾取だ》などと批判が殺到し、謝罪に追い込まれる事態に発展している。
アツギは「本日のために様々なイラストレーターさんに、アツギの商品を着用した女の子を描いていただきました！タイツの日、1日を通して朝・昼・夜のシチュエーションで女性の脚もとを彩るタイツのイラストをお楽しみください！」とツイートし、イラストレーター陣が投稿した同社の商品を着用した高校生やOL、メイドなどのイラストを次々と紹介していったが、かなり低いアングルで描かれた肌着の見えそうなものも多く、ネット上では《女性のタイツ姿を性的に見ていて率直に気持ち悪い》《男性目線で描いていて性的搾取だ》など批判が殺到しており、《アツギのタイツは絶対に買わない》など不買を宣言する声も多く見られた。
これにアツギは3日、公式サイトで「一部のイラストに性的な描写を連想させるような不適切な表現がございました」と謝罪し、該当する投稿を削除して新規ツイートを当面休止すると発表。さらには、同キャンペーンツイートに「いいね」をした同業でライバルの福助も「内容をきちんと確認せず同業者が企画をされていること自体を好意的に捉えて軽率にイイネをしてしまいました」と謝罪に追い込まれる事態に発展した。なお、福助が謝罪をしたのは、アツギが謝罪文を公開するだいぶ前のタイミングだったことから、一部のユーザーからは《迅速すぎる対応！アツギをやめて福助に乗り換えようかな…》《イイネしただけで叩かれるとは…企業の公式アカウントの“中の人”も大変そう》と、同情の声も寄せられていた。
「今回の『#ラブタイツ』キャンペーンの何が問題だったといえば、ミニスカート姿で座る女子高生やスカートをたくしあげるメイドなど、タイツを穿く女性のためではなく、男性が観て楽しむものになっていた点にあります。先日は大手玩具メーカーが、着せ替え人形について『#個人情報を勝手に暴露します』とツイートして大炎上を招きました。今やSNSは、企業にとって気軽に情報発信できる宣伝の場になりましたが、“中の人”へのしっかりとした教育や管理が必要ということです」（ITジャーナリスト）
ツイッター上の盛り上がりは、それだけ危険を孕んでいるとも言えるだろう。
（小林洋三）
