冬の風物詩「黒タイツ女子」が街から消えた! その意外な余波とは?

 見た目以上に保温性に優れ、少し前までは冬場の女性のファッションアイテムとして欠かせなかった黒のタイツ。だが、最近は街からそんな黒タイツをはいた女性、いわゆる“黒タイ女子”の姿が消えつつある。

「コロナ禍での仕事のテレワーク化や授業のオンライン化に加え、プライベートでも外出を控えるようになり、ストッキング全体の消費量が落ちています。また、黒は冬場の定番アイテムとはいえ、2010年代半ばほどの勢いはありません。ブーツや黒以外のカラータイツでコーディネートする女性が増えたことも影響したのでは」(ファッション誌編集者)

 しかし、それにより大打撃を被ったのはストッキングメーカー各社。なかでも業界大手のアツギは、1月に国内の生産拠点だった盛岡市と青森県むつ市にある工場の閉鎖を発表。両工場の従業員約610人は解雇となる見通しだ。

 このうち同社のむつ工場では500人以上が勤務。人口約5万5000人の下北半島の小さな街にとっては地元の大きな産業のひとつだっただけに大きな痛手だ。

「500人の職が失われ、工場や従業員からの税収も丸ごとなくなるわけですから、自治体としても大問題。求人の少ない土地ゆえに働き口を探して街を離れる人も続出するはず。そうなれば過疎化はさらに進み、税収が減ることで今後さまざまな行政サービスに支障が生じるかもしれません」(地方行政に詳しいジャーナリスト)

 むつ市は青森市や八戸市からも遠く、通勤には困難。かといって地元に働き口は限られており、むつ市の宮下宗一郎市長も「戦後最大の雇用危機」と訴えている。
 
「水産業がメインで、もともと雇用環境が厳しい地域。原発関連の土木系の求人はあるものの、一般の働き口で500人の受け皿など到底期待できない」(同)

 たかがストッキングと思いきや、実際にはもっと深刻な事態になっていたようだ。

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