早くも「生卵事件」メジャー開幕戦「ソウル高尺スカイドーム」突貫工事のMLB仕様と警備体制の不安

 史上初のメジャーリーグ開幕に大盛り上がりの韓国だが、実は試合会場のソウル・高尺(コチョク)スカイドームは多くの点が不安視されている。

 3月17日(キウム対ドジャース)の試合では意外にも空席が目立ったのだが、「入場の際のセキュリティーチェックに時間がかかったことが要因」(MLB担当記者)だという。ソウル中心街から車で30分ほどの場所にある高尺スカイドームは、韓国史上初の室内球場として2015年11月に7年の歳月をかけて竣工。今も韓国内には高尺スカイドームしか室内球場はない。

「総工費は214億円もかかったといいますが、竣工直後には雨漏りがしたり、座席が狭く電光掲示板が小さすぎる上、駐車場が完備されていないなど、韓国内でも『21世紀最悪のドーム球場』という見出しが躍りました。建設には7億ウォン(日本円で約8000万円)の公金も投入されていたことから、『税金の無駄使いだ!』との大ブーイングも起こったほどです」(前出・MLB担当記者)

 昨年8月、今回の開幕シリーズに向けMLB視察団が高尺スカイドームをチェックした際には、ダメ出しのオンパレード。視察団が「MLBが使用できる水準の球場にしてほしい」と、多くの要求を出した。

「人工芝を全面張り替えし外野はツートンカラーに変更、照明もLEDを導入してより照度を増した。クラブハウスや選手が利用する食堂の改修、球場の周囲に“植樹”もしてほしいと細かいリクエストも入っていたそうです」(前出・MLB担当記者)

 本番の開幕シリーズにはソウル市と球場にチケットを入手していない人も含め国内外から10万人近いファンが殺到するのではと予想されている。韓国プロ野球の試合の3倍以上となる400人体制で警備にあたり、200人近い警官隊も投入されることが決まった。

 ただ、ソウル市にはハロウィンの際に繁華街に殺到した群衆が原因で起きた「梨泰院雑踏事故」(2022年10月29日)のトラウマもある。すでにドジャースが韓国に入国した際には生卵が投げつけられるトラブルが起きており、“大谷祭り”の裏で何が起きてもおかしくない条件が揃っている。

(小田龍司)

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