近年、「ネット右翼」と呼ばれる言葉をよく耳にする。意味を調べると、「ネット上で右翼的な言動を展開する人々」とあり、「差別的」「攻撃的」とのイメージが定着し、蔑称として用いられるケースが大半だ。そんなネット右翼とは一線を画し、リアルな右翼活動に身を投じる若者が増えているという。右翼取材を続けるジャーナリストが語る。
「昨年頃から、Z世代と言われる10代から20代の若者が、右翼団体に加入する動きが顕著です。岸田政権になって以降、自民党と旧統一教会との長年にわたる癒着が発覚するなどして、『売国政策』に怒りを覚える若者は少なくない。そんな中、SNSなどで右翼団体の思想や活動内容を知り、入会を希望する若者が後を絶たないそうです。団体側にとってもメンバーの高齢化が問題となっていたため、青少年との交流を深めています」
実際の活動としては、機関紙への寄稿、講演会の聴講、右翼集会への参加などが挙げられる。どれも昭和から続いてきた伝統的かつリアルな右翼活動と言っていいだろう。そんな中、3月3日に開催されたのが「第五回 現状打開公開討論会~若輩者の立場から~」(主催・菊水國防連合國防研究會)。15歳の中学3年生、17歳の女子高生といった、いわゆるZ世代の右翼運動家7名が登壇し、パネルディスカッションを行った。
彼らを右翼活動へと突き動かしているのは怒りだ。登壇者3名は本誌の取材にこう語った。
「なぜ岸田政権と外務省は、中国が仕掛ける反日プロバガンダに反論しないのか」(石波肇國氏・15歳)
「尊皇のない保守派言論人がはびこる今日の世論は危険」(秋津和氏・17歳/時局對策協議會学生部)
「右翼自身への怒りもあります。国民に愛される右翼になるため、『勤皇』の精神に還るべき」(仲谷忠憲氏・22歳/皇極社)
会場となった大ホールは300名以上が詰めかけ、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。10代、20代の若者が舞台に上がり、目上の先輩を前に熱弁をふるう。そのたびに会場では拍手や笑いが起こり、なんともアットホームな雰囲気の中、2時間以上にわたる集会は幕を閉じた。
登壇した加藤百氏(25歳/山口二矢顕彰会)は会を終えてこう語った。
「右翼には様々な主義主張がありますが、その大前提には『勤皇』がなければいけません。私は本討論会で山口二矢烈士の志操、そして義挙の現代的意義を皆様にお伝えしたいと思います」
政治腐敗が叫ばれる中、Z世代の間で右翼活動が広がりつつあるようだ。
(編集部)