冬の家庭料理の定番のひとつである豚汁だが、最近では専門店が続々とオープンするなどかつてないブームを巻き起こそうとしている。これまで地味なイメージの脇役的な存在だった豚汁が主役におどり出た魅力と、知られざる驚きの効果とは?
マイボイスコムが今年1月に発表した「スープ・汁物に関する調査」の結果によると、「豚汁・けんちん汁」は「コーンスープ」や「ビーフシチュー」「クリームシチュー」などを抑えて、好きなスープ・汁物で「味噌汁」に次ぐ2位に選ばれている。評価が急上昇している豚汁は専門店も増え、「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングスは2019年に年に豚汁専門店「ごちとん」をオープンさせると、現在では東京、大阪、神奈川に5店舗を展開し、店には行列が出来るほど大盛況となっている。
なぜ、これほどまでに豚汁熱が高まってきているのだろうか?
「ひとつは栄養価の高さでしょう。豚汁はお椀の中に味噌、豚肉、様々な野菜が入っているので、これ1杯でビタミンやミネラル、タンパク質、脂質、糖質が取れる完全栄養食ともいえます。最近はおにぎりもブームですから、おにぎりともう1品に豚汁を選ぶ人も多いようです。そして、もうひとつの魅力はバリエーションの豊かさ。豚肉以外は、じゃがいも、ニンジン、ゴボウ、豆腐、長ネギ、大根など具材を選びません。また、白味噌、赤味噌、コチュジャンを入れて辛くしたりと味付けの幅も広く、具材を入れて煮込めむだけで、煮崩れしても味を損なうことなく、失敗が少ないというのも魅力ですね」(料理研究家)
実は豚汁はダイエット効果も期待できるという。
「豚肉は煮ている時に出た脂をしっかりと取り除いて、野菜は大根やキャベツ、ネギ、きのこ、コンニャクなどヘルシーなものを使うと良いでしょう。具だくさんにすれば食べごたえもありますし、腹持ちもいい。豚肉も入っているので物足りなさを感じることもありませんので、主食に置き換えて食べるとダイエットに非常に効果的です。栄養素が高いので健康的に痩せられますし、3日坊主になりにくいのも良い点だと思います」(同)
本格的な豚汁ブームが到来するかもしれない。
(小林洋三)