次々と登場する「××ダイエット」は、ブームになっては忘れ去られる。ひとつのものを摂り続ける方法はかえって体に悪いとされるが、そうではないものがあった。いいことずくめの伝統的食品。ズボラ中高年もできる決定版をここに!
健康のために、まずはメタボ腹をへこませなければ‥‥。そんな思いからダイエットに踏み切る中高年は少なくない。だが、スタート当初は真剣に取り組むものの、アッという間に挫折。気がつくとリバウンドしてしまった、というケースはいくらでもあるだろう。
「ダイエットが続かない最大の理由は、苦しいからです。食事制限は空腹との闘いだし、ひとつの食材を食べ続ける単品ダイエットには『飽き』との闘いがある。つまり、両者を克服することがダイエット成功の最大の課題になるんです」
そう語るのは、肥満外来がある「よこはま土田メディカルクリニック」の土田隆院長である。これまで2万5000人の肥満患者を診てきた肥満治療のスペシャリストだが、土田医師自身も脳神経外科の勤務医時代、激務によって生活リズムが崩れ、
「学生の頃は今より痩せていて、54キロだった。ところが医者になって、2年で88キロになっちゃった」
そのいきさつについて、
「昼間ずっと勤務してようやく帰れると思ったら、先輩から『当直やってくれ!』と。ところが患者さんが来るまで時間を持て余しているから、差し入れのお菓子をどんどん食べちゃう。しかも久々の休みにはストレス解消とばかりに、ガンガン飲む。ウイスキーのボトルが3日で1本空いていましたからね。文字どおり、医者の不養生を体現していたというわけです」
結果、脂肪肝により肝機能が低下、血圧が180に上昇し、手がしびれ始めた。そこで心機一転、ダイエットを決意したのだが‥‥。
「当時は若かったし、理屈のうえでは痩せるのは簡単だと思っていましたからね。で、始めたのが1日500キロカロリーあれば生きていける、という生活。わかりやすく言うと、朝昼晩に摂取するカロリーを200、200、100キロカロリーに分けてしまうんです。例えばコンビニで600キロカロリーの唐揚げ弁当を買ってきたら、6分の1(100キロカロリー)を捨てて、残りを3回に分けて食べる。すると食費が1日、弁当代の380円で済む(笑)。その状態で走ったりテニスするから、体調がどんどん悪くなっていった」
確かに体重は1カ月半で19キロ落ちた。だが、足元はフラフラ、最高血圧も100を切るありさまだった。
「これはさすがにまずいだろうと。そこで、テレビや雑誌でちょっとでもおもしろそうなダイエット方法があれば、全て自分で実験してみることにしたんです。380円の弁当でダイエットしてきた僕としては、ダイエットはお金がかからないもの、というのが基本的な考え。加えて友人知人たちとのつきあいもあるし、たまには酒を飲んでバカもやってみたい。バカをやっても、できればすぐに調整できる方法がいい。そうやって考えると、どんどん食材が絞られてきたんです」