今やイングランド・プレミアリーグ、リバプールの中盤には欠かせない存在となった日本代表キャプテンの遠藤航。2月17日に行われたリーグ第25節、ブレントフォード戦でも圧巻のパフォーマンスを見せたが、日英のメディアで大きな話題となったのが、後半41分にオランダ代表FWコーディ・ガクポのシュートで4点目を挙げた直後のことだ。
ベンチに歩み寄った遠藤に対し、クロップ監督はなんと右手で彼の頬を平手打ち。その後すぐにハグをしているため、叱咤激励の意味合いの「ビンタ」だったようだ。
監督のこの行為に対し、ネット上では《クロップ監督からまさかの闘魂注入!》《遠藤こそ猪木イズムの体現者》など、あのアントニオ猪木氏の代名詞である「闘魂注入」になぞらえた投稿が相次いだ。実は、競技も国籍も異なるものの、クロップ監督と猪木氏はまったくの無関係というわけでもないようなのだ。
「ドイツには70年代から80年代初頭に活躍した『地獄の墓掘人』の異名を持つローランボックという国民的レスラーがいました。彼は、当時、欧州最強と呼ばれた実力者でもあります。そして、欧州遠征をしていた全盛期の猪木氏と対戦し、1勝1敗1分という戦いを繰り広げました。実は、クロップ監督はローランボックと同じバーデン=ヴュルテンベルク州の出身なんです」(プロレス誌編集者)
クロップ監督は現在56歳。サッカーには大きく劣るものの当時ドイツではプロレスの人気も高く、蝶野正洋が若手時代に修業をした場所としても知られている。
「昔はドイツでもプロレスが中継されており、同郷の英雄であるローランボックと猪木氏の一戦をクロップ監督がテレビ観戦していた可能性は大いにあるはず。当時、猪木氏はまだ闘魂注入を始める前なので偶然だとは思いますが、日本人の遠藤の頬を叩いたあの光景に運命めいたものを感じずにはいられません」(前出・編集者)
今シーズンでリバプールの監督を退くことを表明しているクロップ監督だが、「サッカー界の燃える闘魂」となった名将がいつまた「闘魂注入」を行うのか、シーズン終了まで片時も目が離せないのである。