能登半島地震が発災してから3週間が経とうとしているが、被災地ではほぼ全域で断水が続いている。特に輪島市や珠洲市など半島の先端に位置する地域は、いまだ復旧の目途すら立っていない状態だという。
1月18日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一 モーニングショー」では専門家を招いて、断水長期化の理由を解説。その中で出てきたワードが「耐震適合率」。想定される最大規模の地震に水道管がどれだけ耐えられるのかを示した指標で、全国平均41.2%に対して、石川県は36.8%と低い水準を示していた。さらに番組では日本全都道府県の耐震適合率を紹介。神奈川県や東京都の関東圏は高い数値を示す一方、中国四国地方、九州地方では平均未満の地域が多く見られた。
この全国のデータを見て、元テレビ朝日社員の玉川徹氏は「都市部は高いですね」と前置きして、「財政力との相関がはっきりと見て取れる」と分析。「命の水だからということで、地方にも国費を投入してっていう選択肢を取るのか」とコスト面について問題提起してこう続けた。
「たとえば地方に行けばですね、ポツンと一軒家があるわけですけど、そういうところもどんどん人がいなくなっていく中で、そういうポツンみたいなのがいっぱい増えていくわけですよね。そこに、1軒に対しての水道管をずっとキープしていくってことが果たしてできるのか」
住居や公共サービスを集約するコンパクトシティに触れて、「これからの人口減少の日本のテーマですね」と語っていた玉川氏だが、「ポツンと一軒家」のワードに番組ファンは即座に反応。SNSでは《ポツンと一軒家ってテレ朝よね?》《玉川さんポツン見てないでしょ》《ポツンの家は水道通ってないところが多いよ》などと反論コメントが寄せられていた。
「2018年からレギュラー放送されているテレビ朝日の『ポツンと一軒家』は2020年に22%超えの視聴率をたたき出した超人気番組。これまでいくつもの“ポツン”を取り上げてきましたが、生活用水は山の湧き水や川から引いてきているケースがほとんど。とくに川の上流から水を引いている家では、大雨の後、みずからの手で浄水施設を整備するなど、自己管理を行っています。『ポツンと一軒家』に出てくる家のすべてが、まるで水道を引いて自治体の負担になっているかのような発言はミスリードだったかもしれません」(メディア誌ライター)
玉川氏はわかりやすい例えとしてもち出したのだろうが、番組に協力して出演した“ポツン”の家主たちはいい気はしないだろう。