3月ワタリガニ南下で「海の38度線」で軍事衝突/「第三次世界大戦」戦慄の導火線(1)

「憎まれっ子世にはばかる」

 こうもつぶやきたくなる北朝鮮の暗躍ぶりだ。年末、ロシア軍がウクライナにミサイル300発の大規模攻撃を加えたが、その中に北朝鮮製のものが含まれていたことが判明。朝鮮半島では、北朝鮮が1月5日から3日間、韓国に向けて90発以上を砲撃。両国の海上の境界線のNLL(北方限界線)より南方への着弾はなかったが、朝鮮半島は緊張に包まれた。

「今回の事態は遅かれ早かれ起こったこと。今年はさらに緊張が高まるでしょう」と説明するのは、コリア・レポート編集長の辺真一氏だ。

「尹錫悦氏(63)は22年5月に大統領に就任して以来、対話を拒否するなど、金正恩(40)に対し、終始タカ派の姿勢を取り続けてきました。そこに昨年11月に北朝鮮が、互いに敵対的行為をやめるという18年に結んだ9.19南北軍事合意を一方的に破棄して、それまで『南』と呼んでいた韓国を『敵国』と言うようになったのです。この2人は同じねずみ年生まれ。韓国ではこの干支の人の性質として、普段は穏やかな一方、たまに感情を爆発させるとされている。ですから似た者同士、互いに感情を爆発させたというわけです」

 その上、最近の北朝鮮は強硬姿勢を強めている。昨年9月には金総書記がロシアを訪れてプーチン大統領(71)と会談。前後の8月と10月にはそれぞれ、ロシアのショイグ国防相(68)とラブロフ外相(73)が訪朝して、両者は反アメリカ・西側諸国の〝血盟軍〟結成へ向けて蜜月状態を演じてみせた。北朝鮮としては、大きな後ろ盾を得た格好だ。

 ウクライナ侵略でのロシアへの武器提供と同様に、中東でも北朝鮮の暗躍が明らかとなった。新年早々、韓国の国情院が、ハマスの戦闘で北朝鮮の武器が使われていることを公表したのだ。

 こうした北朝鮮の所業について外信部デスクは、「世界のトラブルメーカー」と断罪する。

「ウクライナでもイスラエルでも、背後にアメリカがいる場所には、どこにでも武器提供などでしゃしゃり出て、みずからの存在感を高める。すると戦争特需により北朝鮮は経済的メリットも得られ、軍備の増強に回すことができるわけです。北朝鮮にとっては、世界中で戦争が起こることは大歓迎なのです」

 この「ならず者」タッグには、しっかり中国も加わり、「反米トライアングル」を形成しようとしているが、

「ウクライナへの侵略で仮にロシアがコケたら、次は中国が国際的な批判の矢面に立たされる。それだけにロシアを軍事的に支援したいところですが、欧米の顔色をうかがって、貿易での経済的支援しか行えないのです。その代わり、世間の批判などどこ吹く風の北朝鮮が、武器を支援する。ほぼ〝密約〟のような形で、3国はつながっています」(外信部デスク)

 実際、昨年は北朝鮮が軍事偵察衛星を打ち上げると、それまではたしなめていたロシア、中国も、国連安保理で北朝鮮擁護の側に回っているのである。

 今や世界は西側諸国と権威主義国でバッサリ分断。その〝先兵〟とも言うべき北朝鮮をたしなめる人や国がいなくなっていることで、不安定さは増すばかりなのだ。今後、再び緊張が高まるのが3~5月だという。

「3月の米韓軍事演習、4月の韓国総選挙のタイミングで、北朝鮮が何か仕掛けてくる可能性が高い。また5月には海の38度線と呼ばれる黄海のNLLがワタリガニの漁場となって、南北のみならず中国の漁船も群がってくる。この漁の不法操業を取り締まる警備の艦船が衝突しかねないのです」(辺氏)

 図に乗った北朝鮮の暴走が、世界大戦の発火点とならなければいいが‥‥。

(つづく)

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